研究課題/領域番号 |
19300117
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
津本 忠治 独立行政法人理化学研究所, 津本研究ユニット, ユニットリーダー (50028619)
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研究分担者 |
惣谷 和広 独立行政法人理化学研究所, 津本研究ユニット, 研究員 (80415207)
亀山 克朗 独立行政法人理化学研究所, 津本研究ユニット, 研究員 (80446517)
蒋 斌 独立行政法人理化学研究所, 津本研究ユニット, 研究員 (30446520)
茜谷 行雄 大阪大学, 医学系研究科, 助教 (40222517)
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キーワード | 脳 / シナプス / 発達 / 神経 / 大脳皮質 |
研究概要 |
大脳皮質視覚野は感受性期と呼ばれる生後発達の特定の時期に片目を遮蔽すると、その後両眼視機能の消失や眼優位コラムの縮小といった変化を生ずる。この両眼視可塑性は発達脳可塑性の代表的な例として古くより研究され、脳由来神経栄養因子等の神経栄養因子の関与が示唆されてきた。ただ、これら神経栄養因子の関与を示唆する研究はスライス標本でなされたものがほとんどで、in vivoの標本でこの仮説を検証することは、従来の機能阻止抗体、種々の阻害薬や遺伝子ノックアウトマウスを使った方法は多くの欠点を有し、困難であった。本研究は、数年前に線虫で発見されたRNA干渉をマウス脳に適用し、目的の蛋白質発現を抑えるsmall interfering RNA(siRNA)を新規電気穿孔法で大脳皮質視覚野に注入し、視覚野可塑性のメカニズム解明をめざすものである。 具体的には、各神経栄養因子のsiRNAを作製し、それをマウス大脳皮質視覚野両眼視部分に注入した後、片目遮蔽を行い大脳皮質視覚野ニューロンの可塑性が影響を受けるかどうかをin vivoカルシウムイメージング法で調べる予定であるが、本年度はその準備研究として以下の実験を行った。マウス大脳皮質視覚野における両眼視部分を明らかにするため、視覚野にカルシウム蛍光色素fura-2を注入し、それぞれの眼に与えた光刺激にともに反応するかどうかを調べた。その結果、第1次視覚野の第2次視覚野に接する部分に数百マイクロメーターの幅で両眼視部分があることが判明した。現在、脳由来神経栄養因子、Nerve Growth Factor, Neurotrophin-3, Neurotrophin-4/5等のsiRNAの作製準備中である。
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