研究課題/領域番号 |
19300122
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
山口 晴保 群馬大学, 医学部, 教授 (00158114)
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研究分担者 |
森 隆 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60239605)
佐々木 惇 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80225862)
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キーワード | アルツハイマー病 / 認知症 / βタンパク / アミロイド / タンニン酸 / APP |
研究概要 |
βアミロイド沈着を低減するポリフェノールの投与実験を行った。脳βタンパクは、amyloid β-protein precursor (APP)と呼ばれる前駆体から作られる。このAPPに遺伝子変異を加えたトランスジェニックマウスでは加齢と共に脳βアミロイド沈着を引き起こす。このようなトランスジェニックマウスを購入・繁殖して必要数を埼玉医大の共同研究者森が担当した。PS1とAPPの二重改変マウスを飼育・繁殖し、実験に提供する体制を整えた。 脳βアミロイド沈着が始まる前から沈着後の期間に、ポリフェノールとしてタンニン散を長期投与し、その効果を検討した。胃ゾンデを用いて経口投与により、6ヶ月齢より開始し6ヶ月間行い、脳病理の変化と行動の変化を解析した。 タンニン散投与APPトランスジェニックマウスでは、過活動、物体認識障害、空間認知機能障害などの行動学的障害が有意に改善した。さらに、病理像を解析すると、脳内に沈着したβアミロイドが少なかった。これらから、タンニン酸がアルツハイマー病の治療薬として有効である可能性を示した。ポリフェノールとしては、さらにフェルラ酸の投与を開始している。また、アルツハイマー病の新規根本的治療薬として注目されているメチレンブルーも投与し終わり、効果を解析中である。 佐々木は、アルツハイマー病の脳βアミロイド沈着防止法の発展の基礎研究として、培養ミクログリア活性化機構の解析と非Alzheimer型脳疾患でのミクログリア/脳内マクロファージの病理を含む神経病理学的検討を行い認知症発症へのミクログリアの関与を示唆する知見を示した。
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