研究課題/領域番号 |
19300132
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
坂口 和成 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 教授 (60178548)
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研究分担者 |
京 雪楓 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 助教 (70316123)
三輪 英人 和歌山県立医科大学, 付置研究所・医学部, 准教授 (50231626)
宮嶋 正康 和歌山県立医科大学, 付置研究所・医学部, 助教 (80137257)
澤田 貴宏 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 助教 (00382325)
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キーワード | パーキンソン病 / 再生医療 / 神経幹細胞 / ephrin |
研究概要 |
私達はパーキンソン病の再生医療的治療法を開発する目的で、神経幹細胞の増殖分化機構を探索し、線維芽細胞増殖因子受容体と複合体を形成して作用するEphA4受容体を発見した。このEphA4のリガンドであるephrin-A1の多量体が神経幹細胞の増殖およびドパミン作動性神経細胞への分化に有効である事を発見し、パーキンソン病の治療にephrin-A1多量体の側脳室内注入が有効であるかどうかを調べるために以下の実験を実施した。 計画[1]ephrin-A1多量体の持続的注入および間歇的注入の効果に関する研究:パーキンソンモデルラットにおける脳内ephrin-A1多量体注入効果を注入方法別に調べた。浸透圧ポンプによる多量体化ephrin-A1-Fcの側脳室内1週間持続注入は1-2μg/日で効果があり、3μgの1回注入よりも良好な行動解析結果が得られた。間歇注入の効果は現在調べている所である。 計画[2]強力な生物活性をもつ組み換えephrinの開発:ephrin-A1-Fcをanti-IgG(Fc)抗体で多量体化する方法に比べてより効率的に、また抗体のような余分なものを加える事なく多量体化するためにCartilage Oligomeric Matrix Protein(COMP)をephrin-A1のC端に融合した。COMPを1コピー挿入したもの、2コピー挿入したものの2種類を作製した。これらの組み換え蛋白はin vitroの実験ではephrin-A1-Fcと同様の効力を保持していた。 計画[3]パーキンソンモデルサルにおける効果の検定:MPTPの腹腔内注入によりパーキンソンモデルマーモセットを作製した。また、行動解析手法としてスーパーメックス法が有効であることを確認した。今後、これらのマーモセットを用いて種々の多量体化ephrin-A1の効果を調べる計画である。
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