研究課題/領域番号 |
19300132
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
坂口 和成 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 教授 (60178548)
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研究分担者 |
京 雪楓 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 助教 (70316123)
三輪 英人 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (50231626)
宮島 正康 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (80137257)
澤田 貴宏 和歌山県立医科大学, 付置研究所, 助教 (00382325)
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キーワード | ラット / マーモセット / パーキンソン病 / 再生医学 / Eph / ephrin |
研究概要 |
パーキンソン病の新規再生医療法を開発するために、パーキンソン病モデルマーモセットを用いて、行動解析および脳の組織学的解析を実施した。 まずはMPTP皮下注にてパーキンソンモデルマーモセットを作製し、行動解析を実施したのちに脳を取り出して免疫組織学的に調べた。まずは2頭で浸透圧ポンプにて右側側脳室には多量体化したephrin-A1-Fcを、左側側脳室にはIgG(Fc)を注入した。4-6週間後の行動解析では行動の改善傾向を認めた。しかし、マーモセットの脳室は狭く、注入用カニューレの脳室内留置を確認することが難しい状態であった。このため、脳室および線条体部位を狙って左右それぞれ6か所にone shotで注入することとした。ラットではone shot注入が有効であることを確認している。3頭で右脳にephrin-A1 2μgを6か所に、左脳にPBSを6か所に注入、1頭で左右両側にephrin-A1 2μgを6か所づつ注入、さらに1頭で両側にPBSを6か所づつ注入した。4-6週間後の行動解析ではephrirA1注入群で行動が改善し、両側注入群で改善が著しかった。これらの動物では脳内注入操作直後から3目間BrdUを注入して、薬剤注入6週間後にsacrificeして脳を取り出しており、今後、注入後の脳の組織学的検査をすることにより神経再生の状態を調べていく予定である。 ラットにおいては多量体化ephrin-A1注入により脳室下層の細胞増殖、脳室下層から線条体内への細胞の遊走、線条体内でのドパミン作動性神経細胞への分化を認めた。この結果を投稿したが、遊走に関しては、パルスーチェイス実験でBrdU陽性細胞の脳室下層から線条体内への経時的な細胞遊走を認めているが、これのみでは真に遊走を示しているかどうかは疑問との意見があり、細胞ラベル目的で側脳室にCM-DiIを注入して脳室下層神経幹細胞を標識しその遊走状況を調べているところである。
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