研究課題/領域番号 |
19300137
|
研究機関 | (財)東京都医学研究機構 |
研究代表者 |
齊藤 実 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 副参事研究員 (50261839)
|
研究分担者 |
宮下 知之 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (70270668)
堀内 純二郎 財団法人東京都医学研究機構, 東京都神経科学総合研究所, 研究員 (80392364)
|
キーワード | 加齢性記憶障害 / 老化 / 脳神経 / cAMP |
研究概要 |
加齢に伴う学習・記憶能力の低下(Age-related memory impairment,AMI)は広く種を超えて認められる脳の老化の重要な表現型である。先に我々はAMIが神経ペプチドをコードするamnesiac(amn)遺伝子が関与する、中期記憶形成過程の特異的な低下によることを示した。且つ、AMIの変異体検索から、PKAの触媒部位をコードする遺伝子のヘテロ変異体DC0/+では若いときの正常な記憶を加齢体となっても保持していること、さらにDC0変異体の寿命が正常であることを見出した。行動遺伝学的な解析から、amn遺伝子がコードする神経ペプチドは、恐らく、cAMP合成酵素を抑制し、その結果、DC0-PKA活性を抑制することを明らかにした。加えて、遺伝学的にcAMP/PKA経路活性をキノコ体で上昇させると、DC0変異体とは逆にAMIが促進されること、加齢期間中のcAMP/PKA経路活性ではなく、加齢体となってからのcAMP/PKA活性がAMIの原因となっていることなどを明らかにした。本年度はプロテオミクス解析を行い、加齢に伴うタンパク発現とリン酸化の動態を(AMIが起こる)野生型と(AMIが抑制されている)DC0/+とで比較し、AMIの発現と特異的に相関した発現及びリン酸化の動態を示すタンパクPyruvate Carboxylase(PC)を同定した。現在solのマッピングと同定を行っているところである。この結果を受けて平成20年度はPC変異体を用いて、PCとAMIとの因果関係を調べる予定である。
|