加齢による記憶力の低下(加齢性記憶障害)は脳老化の重要な表現型である。我々はPKA触媒部位の変異体DC0/+で加齢性記憶障害が顕著に抑制されていることを見出した。そこでプロテオミクス解析により加齢に伴うタンパク発現とリン酸化の動態を(AMIが起こる)野生型と(AMIが抑制されている)DC0/+とで比較し、AMIの発現と特異的に相関した発現及びリン酸化の動態を示すタンパクとしてPyruvate Carboxylase(PC)に高いホモロジーを持つCG1516を同定した。CG1516の発現抑制変異体2系統で加齢性記憶障害を調べると、DC0/+と同様、加齢性記憶障害が顕著に抑制されているにも関わらず寿命は正常であった。現在CG1516がPC機能を持っているのか?加齢性記憶障害が抑制されているCG1516の発現変異体はPCの変異体か?加齢性記憶障害はCG1516の発現抑制が原因かを調べている。
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