研究概要 |
本研究においては、最高血圧値を示したNZO/HIJにおける高血圧形質を支配している量的形質遺伝子座(Quantitative Trait Loci:QTL)をゲノムワイドに解析することと、NZO/HIJの高血圧遺伝子座の領域を最小限にするためハプロタイプ解析を実施し、候補遺伝子を探索することを目的とする。 【NZOおよびC3Hマウス系統間の子孫における高血圧QTL解析】幾つかミスマッチな領域が存在すした領域を再度検定した。血圧に連鎖するQTL解析について、収縮期血圧および拡張期血圧の形質についてMajorとPair scanにて実施したがsignificantなピークは見られなかった。ところが両形質をもとにしたprinciple component(PCI)より解析を進めた結果、Pair ScanおよびMultiple regression解析において血圧分散の29%を説明する3つのQTL(Bpq10,100 cM on Chr 1;Bpq11,6 cM on Chr 4;Bpq12,29 cM on Chr 8)を同定した。 【コンジェニック・コンソミック系統の作製】血圧QTLを含む領域について、NZOとC3Hマウス間で戻し交配し、C3H遺伝背景に高血圧形質を支配する遺伝子座を導入する系統と、NZO遺伝背景に低血圧形質を支配する遺伝子座を導入する系統を作製中である。
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