研究課題/領域番号 |
19300148
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
大沢 一貴 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 教授 (90244756)
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研究分担者 |
鳥居 隆三 滋賀医科大学, 動物生命科学研究センター, 教授 (50106647)
山本 博 富山大学, 生命科学先端研究センター, 准教授 (00108797)
大沢 牧子 長崎大学, 先導生命科学研究支援センター, 研究支援推進員 (30462964)
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キーワード | 実験動物 / サル / ヘルペスウイルス |
研究概要 |
全国の国立大学で飼育されている実験動物マカクは、約40%のBウイルス抗体陽性率で、ニホンザルにおいても34%の抗体保有率が認められた。さらに、Bウイルスのゲノム解析結果から、ウイルス亜系の存在を明らかにし、その亜系がマカク種毎に存在することを示唆してきた。滋賀県産の野生のニホンザルからBウイルスゲノム断片検出に成功し、ニホンザル固有のBウイルスが潜伏感染していることを遺伝子レベルで証明している。 Bウイルスは国内で大量培養による抗原作製は不可能であるため、ELISA用代替抗原としてHVP2のOU1-76株を使用している。HVP2はマウスに対して症候性のnv型と無症候性のap型に大別されることが提唱されており、OU1-76株はnv型に分類される。そこで、動物実験施設における病原体リスク管理の観点から、nv型からap型へ抗原切り替えの可能性を検討した。ap型のA951、OU2-5、OU4-8の3株を用いた抗原で比較したところ、感度、特異性ともにOU1-76株と遜色ない結果が得られたことから、抗原作製用のウイルス株をOU2-5株へ移行しているところである。 1999年より現在に至るまで、HVP2を代替抗原としたウイルス抗体検査キットを作製し、マカクを飼育している全国の動物実験施設等に配布している。2010年度は、延べ12の施設等に配布した。また、それと同時に国内の大学、研究機関等より送付されたマカク血清の抗体検査を行っている。本年度は、3施設由来293検体のマカク血清の抗体検査を行った結果、Bウイルス抗体の陽性血清は66検体あり、全検体の22.5%を占めていた。
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