• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2007 年度 実績報告書

ラット顕微授精の効率化とGS細胞由来精子細胞からの産仔獲得

研究課題

研究課題/領域番号 19300150
研究機関生理学研究所

研究代表者

平林 真澄  生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 准教授 (20353435)

研究分担者 篠原 隆司  京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30322770)
キーワードラット / 円形精子細胞 / 精子 / 人為的活性化 / 第二減数分裂後期 / イオノマイシン / 体内受精 / DNAメチル化
研究概要

顕微授精による産仔作出効率の改善ラットにおいて円形精子細胞・精子め顕微授精(ROSI・ICSI)による産仔作出効率が低いのは、(1)ROSI時に卵子に施す人為的活性化のタイミング、(2)未成熟精子細胞核や成熟精子核のDNA脱メチル化が不適切なためと考え、この点を検証した。
(1)我々はこれまでに凍結保存したラット円形精子細胞の顕微授精による産仔作製を報告してきたが、精巣から調製したばかりの新鮮精子細胞を用いると産仔率は顕著に低かった。一般的なROSIプロトコールでは、活性化処理により第二減数分裂後期〜終期に進めた排卵卵子に円形精子細胞を顕微注入する。そこで、円形精子細胞(凍結vs新鮮)、活性化処理開始のタイミング(ROSI前vsROSI後)、そして活性化方法(DCパルスvsイオノマイシン)がラットROSIに及ぼす影響を調べた。DCパルスで活性化誘起した場合、凍結精子細胞を用いるときはROSI前に、新鮮精子細胞を用いるときはROSI後に、活性化処理を開始した方が高い産仔率が得られた(凍結区4.8vs3.3%、新鮮区0vs4.3%)。これと同じ傾向はイオノマイシンで活性化誘起した場合にも認められた(凍結区3.6vsl.2%、新鮮区2.7vs6.7%)。このことから、ラットROSI胚の産仔発生において新鮮精子細胞を用いる場合はROSI後に、凍結精子細胞の場合はROSI前に活性化することが望ましいと結論づけた。
(2)ラットにおける受精直後のDNAメチル化動態を調べるため、体内受精(in vivo区)およびICSI区によって作出した前核期卵に抗メチル化シトシンによる免疫染色を施し、相対蛍光度により解析した。IVF区ではhCG20時間から24時間目にかけて相対蛍光度が有意に下がり、この時期に精子由来ゲノムの顕著な脱メチル化が起きていた。一方、ICSI区では、6時間目と10時間目のサンプル間で有意差があったものの、in vivo区と比較して脱メチル化の度合いは小さかった。in vivo区でもICSI区と同様の推移が見られたことから、ラット卵子を体外環境に置いている過程で精子由来ゲノムの脱メチル化動態に影響が現れたものと示唆された。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 2007 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Live rats resulting from injection of oocytes with spermatozoa freeze-dried and stored for one year2008

    • 著者名/発表者名
      Hochi S
    • 雑誌名

      Mol. Reprod. Dev. 75

      ページ: 890-894

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Direct comparison between ICSI-mediated DNA transfer and pronuclear DNA microiniection for nroducine transgenic rats2008

    • 著者名/発表者名
      Hirabayashi M
    • 雑誌名

      Exp. Anim. 57

      ページ: 145-148

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Factors affecting full-term development of rat oocytes microinjected with fresh or crvonreserved round snermatids2008

    • 著者名/発表者名
      Hirabayashi M
    • 雑誌名

      Exp. Anim. 57(印刷中)

    • 査読あり
  • [学会発表] ラットICSI系で作製した前核期卵における染色体異常の誘発要因について2007

    • 著者名/発表者名
      保地 眞一
    • 学会等名
      第10g回日本実験動物学会総会
    • 発表場所
      東京都文京区
    • 年月日
      2007-10-21
  • [学会発表] -196℃、+4℃、または+25℃で長期保存したフリーズドライラット精子のICSIによる個体発生能2007

    • 著者名/発表者名
      渡辺 香
    • 学会等名
      第48回日本哺乳動物卵子学会大会
    • 発表場所
      山梨県甲府市
    • 年月日
      2007-05-26
  • [学会発表] ラットROSIにおいて新鮮精子細胞と凍結精子細胞のどちらを用いるかで卵活性化処理の適期が異なる2007

    • 著者名/発表者名
      加藤 めぐみ
    • 学会等名
      第54回日本実駿動物学会総会
    • 発表場所
      東京都江戸川区
    • 年月日
      2007-05-24
  • [備考]

    • URL

      http://www.nips.ac.jp/mamtg/

URL: 

公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi