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2008 年度 実績報告書

ラット顕微授精の効率化とGS細胞由来精子細胞からの産仔獲得

研究課題

研究課題/領域番号 19300150
研究機関生理学研究所

研究代表者

平林 真澄  生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 准教授 (20353435)

研究分担者 篠原 隆司  京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30322770)
キーワードラット / トランスジェニック / 円形精子細胞 / 人為的活性化 / レンチウイルス / レトロウイルス / 異種間移植 / 精子幹細胞
研究概要

レンチウイルスで遺伝子導入した精子幹細胞からのトランスジェニックラット作製(篠原・平林)精子幹細胞からのノックアウト動物作製には、1)試験管内での精子幹細胞の遺伝子改変、2)遺伝子改変された幹細胞からの精子、子孫の作製が必要となる。昨年度我々はラット精子幹細胞をマウスで発生させ、そこから得た精子で子孫作製に成功したことを報告した(PNAS103,13624(2006))。今年はこの2)のステップをさらに進め、遺伝子改変した精子幹細胞からの子孫作製をマウスへの異種移植法を用いて行った。今回は特にES細胞の遺伝子破壊によく利用されているレトロウイルス、レンチウイルスベクターを用いた検討を行った。生後10日から14日のSDラットの精巣をトリプシン、コラゲナーゼによる酵素処理によりバラバラにした細胞とし、ここにenhanced green fluorescence protein(EGFP)を発現するレトロウイルスもしくはレンチウイルスベクターを感染させた。ウイルス感染した培養細胞はブスルファン処理により不妊になったヌードマウスの精巣内に移植した。移植後、5ヶ月目に精巣をバラバラにし、EGFPを発現するラット生殖細胞を回収した。回収された細胞のうち、round spermatids,spermatozoaを用いて合計742個の卵細胞に顕微授精を行ったところ、31匹の産仔を得た。このうち15匹がEGFPを発現するトランスジェニックラットであった。興味深いことにレトロウイルスを用いた場合には産仔を得ることはできたが(6匹/312個の卵子)、トランスジェニック動物を得ることができなかった。これはレンチウイルスの方が効率よく遺伝子改変に利用できることを示している(25匹/430個の卵子、15匹のトランスジェニック産仔)。この作製効率は通常の前核へのDNA注入法を用いた場合に比較旨して、異種移植法を用いた場合の方が約5-10倍の効率でトランスジェニックラットの作製ができることにを示しており(10.3%vs.1-2%)、精子幹細胞を利用した場合の利点が明らかになった。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2008 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (2件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Live rats resulting from injection of oocytes with spermatozoa freeze-dried and stored for one year2008

    • 著者名/発表者名
      Hochi S
    • 雑誌名

      Mol. Reprod. Dev. 75

      ページ: 890-894

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Direct comparison between ICSI-mediated DNA transfer and pronuclear DNA microinjection for producing transgenic rats2008

    • 著者名/発表者名
      Hirabayashi M
    • 雑誌名

      Exp. Anim. 57

      ページ: 145-148

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Factors affecting full-term development of rat oocytes microinjected with fresh or cryopreserved round spermatids2008

    • 著者名/発表者名
      Hirabayashi M
    • 雑誌名

      Exp. Anim. 57

      ページ: 401-405

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Production of transgenic rats via lentiviral transduction and xenogenic transplantation of spermatogonial stem cells2008

    • 著者名/発表者名
      Kanatsu-Shinohara M
    • 雑誌名

      Biol. Reprod. 79

      ページ: 1121-1128

    • 査読あり
  • [学会発表] 体内受精、体外受精、および顕微授精に由来するラット前核期卵のDNA脱メチル化動態2008

    • 著者名/発表者名
      吉沢雄介
    • 学会等名
      第101回日本繁殖生物学会
    • 発表場所
      福岡県博多市
    • 年月日
      2008-09-19
  • [学会発表] c-mycを過剰発現するトランスジェニック雄ラットは精子幹細胞移植のレシピエントとして利用できるか?2008

    • 著者名/発表者名
      平林真澄
    • 学会等名
      第55回日本実験動物学会総会
    • 発表場所
      宮城県仙台市
    • 年月日
      2008-05-15
  • [備考]

    • URL

      http://www.nips.ac.jp/mamtg/

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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