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2009 年度 実績報告書

ラット顕微授精の効率化とGS細胞由来精子細胞からの産仔獲得

研究課題

研究課題/領域番号 19300150
研究機関生理学研究所

研究代表者

平林 真澄  生理学研究所, 行動・代謝分子解析センター, 准教授 (20353435)

研究分担者 篠原 隆司  京都大学, 大学院・医学研究科, 教授 (30322770)
キーワードラット / 胚性幹細胞 / トランスジェニック / FGFレセプターインヒビター / MEK活性化インヒビター / GSK3インヒビター / LIF / キメラ
研究概要

CAG/venusトランスジェニックラット胚盤胞に由来するES細胞株の樹立(平林)
遺伝子ターゲッティングによるゲノム改変ラット個体の作製は脳神経系遺伝子を含む数万にも及ぶ遺伝子の役割を研究するために切望されているが,従来からのマウスでの手法をラットに適用してもES細胞株を樹立することは困難だった。しかし最近,3種類のインヒビターセットを添加した培養液を用いることによりラットES細胞株が樹立できると報告された(Cell 135 ; 2008)。そこで平成21年度はCAG/venusトランスジェニック(Tg)ラット由来の胚盤胞からES細胞株を樹立することを試みた。CAG/venus-Tgラット由来の4.5日目胚盤胞9個から酸性タイロード処理により透明帯を除去し,FGFレセプターインヒビター,MEK活性化インヒビター,GSK3インヒビター,およびラットLIFを含むN2B27培地とともにマイトマイシン処理マウス繊維芽細胞上に播種した。7日後に増殖したICMを単離し,ガラスキャピラリーで数個の小塊にばらしてさらに7日間培養した。0.05%トリプシン処理を経て増殖コロニーを数回継代し,2ラインのアルカリフォスファターゼ陽性ES細胞株を樹立した。In vivoでの多分化能を調べるためF344/Jcl-rnu/rnuラットの皮下にES細胞2.5×10^5個を移植したところ,5週間後に肝・消化管(内胚葉),骨・軟骨・筋肉(中胚葉),神経組織・上皮(外胚葉)を含むテラトーマの形成が確認できた。Crlj:MIおよびCrlj:MIとDA/SlcのF1由来の4.5日目胞胚腔内に継代6~8代目のES細胞10個を顕微注入し,偽妊娠雌の子宮角に移植することによりキメラの作製を試みた。その結果,すべてのE15.5胎仔でvenus遺伝子の発現が確認でき(22/22;100%),出産産仔におけるキメラ率も極めて高く(9/11~17/17;82~100%)、さらに両ラインとも生殖系列寄与を確認することができた。

  • 研究成果

    (10件)

すべて 2010 2009 その他

すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (4件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Impaired active demethylation of paternal genome in pronuclear-stage rat zygotes produced by in vitro fertilization or intracytoplasmic sperm injection2010

    • 著者名/発表者名
      Yoshizawa Y
    • 雑誌名

      Mol.Reprod.Dev. 77

      ページ: 69-75

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Establishment of rat embryonic stem cell lines that can participate into germline chimerae at high efficiency2010

    • 著者名/発表者名
      Hirabayashi M
    • 雑誌名

      Mol.Reprod.Dev. 77

      ページ: 94

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Rat Transgenesis via embryonic stem cells electroporated with kusabira-orange gene2010

    • 著者名/発表者名
      Hirabayashi M
    • 雑誌名

      Mol.Reprod.Dev. 77(In press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Availability of subfertile transgenic rats expressing c-myc gene as recipients for spermatogonial transplantation2009

    • 著者名/発表者名
      Hirabayashi M
    • 雑誌名

      Transgenic Res. 18

      ページ: 135-141

    • 査読あり
  • [学会発表] CAG/venusトランスジェニックラット胚盤胞に由来するES細胞株の樹立2009

    • 著者名/発表者名
      平林真澄
    • 学会等名
      第102回日本繁殖生物学会
    • 発表場所
      近畿大学農学部キャンパス(奈良県奈良市)
    • 年月日
      2009-09-10
  • [学会発表] Derivation of rat cell line which differentiate into visceral yolk sac in vivo2009

    • 著者名/発表者名
      Takada T
    • 学会等名
      The 7th Annual Meeting of International Society for Stem Cell Research
    • 発表場所
      Barcelona, Spain
    • 年月日
      2009-07-10
  • [学会発表] IVF、ICSI、ROSIに由来するラット前核期卵のDNA脱メチル化動態2009

    • 著者名/発表者名
      平林真澄
    • 学会等名
      第56回日本実験動物学会
    • 発表場所
      大宮ソニックシティ(埼玉県さいたま市)
    • 年月日
      2009-05-15
  • [学会発表] ラット前核期卵の体外作出行程は雄性ゲノムの能動的脱メチル化に影響する2009

    • 著者名/発表者名
      吉沢雄介
    • 学会等名
      第50回日本哺乳動物卵子学会
    • 発表場所
      都市センターホテル(東京都千代田区)
    • 年月日
      2009-05-09
  • [図書] Chapter-9.Generation of transgenic rats by ooplasmic injection of sperm cells exposed to exogenous DNA."Rat genomics : Methods and Protocols"(Eds.I Anegon)2010

    • 著者名/発表者名
      Hirabayashi M
    • 総ページ数
      10
    • 出版者
      Humana Press
  • [備考]

    • URL

      http://www.nips.ac.jp/mamtg/

URL: 

公開日: 2011-06-16   更新日: 2016-04-21  

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