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2008 年度 実績報告書

組織・細胞の力学応答機構の統一的理解のための生体組織内力学場の微視的解析法の確立

研究課題

研究課題/領域番号 19300157
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

松本 健郎  名古屋工業大学, 工学研究科, 教授 (30209639)

研究分担者 長山 和亮  名古屋工業大学, 工学研究科, 助教 (10359763)
キーワードバイオメカニクス / 機械材料・材料力学 / 生物・生体工学 / 細胞・組織 / 循環器・高血圧
研究概要

生体軟組織内部の残留応力分布ならびに大変形領域までの力学特性を細胞レベルの分解能で計測する手法を確立して実際の組織内の生理状態における微視的応力・ひずみ分布を可能な限り詳しく明らかにすることを目的として,3年間に亙る研究を進めている.研究2年目の本年度は,主に薄切試料をマクロに変形させた際の試料内部のミクロな変形を観察した.すなわち,凍結ミクロトームにより血管円周方向を含むように厚さ数10μmに薄切したブタ胸大動脈試料を対象とし,内部の平滑筋細胞核をHoechst 33342で,弾性板をトリパンブルーで染色した後,顕微鏡下で組織を円周方向に引張り,マクロな変形に伴い内部の弾性板や細胞核がどのように運動するのかを調べた.その結果,マクロな伸長に伴い,血管壁内部では細胞の伸長だけでなく回転も発生すること,また,弾性板の伸張量には部位により3倍近い差が差がある可能性があることなどが明らかとなった.しかし,試験を室温で行ったため,平滑筋細胞の能動収縮に伴う組織内部の変形を見ることができておらず,また,手動のマイクロマニピュレータを利用して引張を行ったために,観察部位を視野中心に保つことが困難であり,実験データの蓄積はまだ不十分である.また,前年度目標とした切断時の試料変形の詳細計測は,試料切断時の気泡発生を抑えるに至って居らず実現できていない.そこで,来年度は顕微鏡ステージ状に設置可能な恒温槽付き電動引張ステージを試作し,実験の効率化を進めるとともに,レーザによる切断方法についてより一層の検討を進める必要がある.

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件) 備考 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Contribution of Actin Filaments and Microtubules to Quasi-in situ Tensile Properties and Internal Force Balance of Cultured Smooth Muscle Cells on a Substrate2008

    • 著者名/発表者名
      Nagayama K
    • 雑誌名

      American Journal of Physiology, Cell Physiology 295

      ページ: 1569-1578

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Mechanical Characterization of Brain Tissue in High-Rate Extensio2008

    • 著者名/発表者名
      Tamura A
    • 雑誌名

      Journal of Biomechanical Science and Engineering 3 ・ 2

      ページ: 263-274

    • 査読あり
  • [学会発表] 動脈の内圧-直径関係に与える弾性板座屈の影響2009

    • 著者名/発表者名
      武澤健司
    • 学会等名
      第21回バイオエンジニアリング講演会
    • 発表場所
      北海道札幌市
    • 年月日
      20090123-20090104
  • [学会発表] ヒト上腕動脈内圧外径関係の非侵襲計測の試み2008

    • 著者名/発表者名
      松本健郎
    • 学会等名
      日本機械学会2008年度年次大会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      20080803-20080807
  • [学会発表] 新鮮ブタ胸大動脈薄切片の引張りに伴う壁内構成要素の変形挙動の観察2008

    • 著者名/発表者名
      城野貴洋
    • 学会等名
      日本機械学会2008年度年次大会
    • 発表場所
      神奈川県横浜市
    • 年月日
      20080803-20080807
  • [学会発表] Microscopic Mechanical Analysis of Aortic Wall : Estimation of Stress in the Intramural Elastic Laminas and Smooth Muscle Cells in a Physiological State2008

    • 著者名/発表者名
      Matsumoto T
    • 学会等名
      2008 Summer Bioengineering Conference
    • 発表場所
      Florida, FL, USA
    • 年月日
      20080625-20080628
  • [備考]

    • URL

      http://bio.mech.nitech.ac.jp/top.html

  • [産業財産権] 生体内管腔体評価装置2009

    • 発明者名
      塚原弘政
    • 権利者名
      名工大, ユネクス
    • 産業財産権番号
      特願2009-057133
    • 出願年月日
      2009-03-10

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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