研究概要 |
本研究は,静止立位およひ整定地歩行運動時の全身運動軌道,下肢筋電図,足圧中心軌道を幅広い健常被験者年齢層に対して系統的に計測し,得られたデータをデータベース化することを目指している.構築するデータベースは,単なる被験者に関する公開可能個人情報と計測データファイル群のリストアップに留まらず,各計測データを,全身筋骨格系の構造および動態モデルと対応させることを可能とするデータ構造を開発する.これにより,本研究で開発するデータベースの利用者が,必要に応じて,各計測データを運動学的および動力学的に十分に解析することを可能にする.平成20年度は,ヒト立位および歩行運動計測系の整備を完了した.システム開発に関しては,平成19年度から平成20年度上半期では,全身筋骨格系モデルおよびその動態としての計測データを記述する最適なデータ構造を検討・決定するとともに,そのデータ構造を操作するメソッド開発と共にシステム化を開始した.また,3次元空間での身体運動時の関節の回転運動を高精度で計測するためのモーションキャプチャマーカの装着位置を検討し決定した.これと平行して,基礎的運動(静止立位・整定地歩行運動)の計測系を整備した.さらに,19年度に開発した階層構造を記述するデータ構造をXMLに基づく様式として策定した.これにより,データベース化に際して,XMLデータベース技術あるいはネイティブXMLデータベース技術を応用することを可能にした.また,20代と30歳代の健常被験者に対する運動計測を実施した.現在,立位および歩行運動の形態モデルおよび計測実験データのデータベースのベータ版の公開に向けて準備を進めている.
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