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2010 年度 実績報告書

神経幹細胞の分化誘導のための微量薬剤放出制御デバイスの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19300161
研究機関九州工業大学

研究代表者

安田 隆  九州工業大学, 大学院・生命体工学研究科, 准教授 (80270883)

キーワードマイクロ流体デバイス / マイクロ流路 / 微小孔 / ナノバイオ / 神経幹細胞 / 細胞刺激 / 分化誘導
研究概要

第一に、底面に微小孔を有する細胞培養ウェルを8×8個のマトリックス状にアレイ化し、ウェル1列毎に別々のマイクロ流路をウェル直下に配置し、ウェル内に形成したニューロスフェア(神経幹細胞の球状凝集塊)に対して、流路に導入した薬剤を微小孔より作用させる細胞刺激デバイスを開発した。このデバイスにより、単一のデバイス内で8種類の薬剤に対する細胞応答を解析することが可能となった。特に、薬剤導入直後における各ウェル内の薬剤濃度変化を確認するために、蛍光色素FITC溶液を流路内に導入して流路1本分の8個のウェル内の蛍光強度を計測したところ、120分程度で各ウェル内の濃度がほぼ均一になることが分かった。実際の薬剤刺激は数日間に渡るため、薬剤濃度の均一化にこの程度の時間を要しても問題ないと思われる。また、ウェルアレイ上にマウス由来の神経幹細胞を播種し、約2日間培養したところ、各ウェル内に寸法が揃った直径180μm程度の単一のニューロスフェアが形成可能であることを確認した。
第二に、同様の細胞培養ウェル1個の直下にマイクロ流路を配置し、この流路に3層流から成るシースフローを形成し、この3層流の流量比を制御することで、微小孔からの薬剤放出を制御する細胞刺激デバイスを開発した。このデバイスにより、細胞への薬剤刺激のプロファイルを時間的かつ空間的に制御することが可能となった。このデバイスでは微小孔からの薬剤放出は薬剤分子の拡散のみで行われることが理想であり、そのためには微小孔内の流れを抑制する必要があったため、それに必要な流路出口の圧力条件を実験により導出した。また、カルシウムイオン・イメージング試薬で染色したニューロスフェアをウェル内に培養し、グルタミン酸で刺激した際に生じる細胞内カルシウムイオン濃度の増加を蛍光強度変化として観察した。

  • 研究成果

    (7件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (6件)

  • [雑誌論文] 再生医療に向けた細胞刺激MEMSデバイス-微小孔とマイクロ流路を用いた神経幹細胞の薬剤刺激技術-2010

    • 著者名/発表者名
      安田隆
    • 雑誌名

      光アライアンス

      巻: Vol.21 ページ: 9-13

  • [学会発表] シースフローと微小孔を用いた薬剤放出制御デバイス2011

    • 著者名/発表者名
      河本真弥
    • 学会等名
      日本機械学会 第23回バイオエンジニアリング講演会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2011-01-09
  • [学会発表] ニューロスフェアアレイへの個別薬剤刺激が可能なマイクロ流体デバイス2011

    • 著者名/発表者名
      丁光栄
    • 学会等名
      日本機械学会 第23回バイオエンジニアリング講演会
    • 発表場所
      熊本
    • 年月日
      2011-01-08
  • [学会発表] Bio-microdevices for Manipulation and Analysis of Microliquids and Cells2010

    • 著者名/発表者名
      Takashi Yasuda
    • 学会等名
      The 58th Annual Meeting of Japanese Association for Dental Research (JADR 2010)
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2010-11-21
  • [学会発表] バイオMEMS:微量生体試料の操作・刺激・計測2010

    • 著者名/発表者名
      安田隆
    • 学会等名
      北九州学術研究都市 第10回産学連携フェア セミナー「バイオMEMSへの北九州地域発の取組み紹介」
    • 発表場所
      北九州
    • 年月日
      2010-10-27
  • [学会発表] バイオMEMSによる微量生体試料の操作・刺激・計測2010

    • 著者名/発表者名
      安田隆
    • 学会等名
      岡山大学次世代研究者・異分野連携育成事業「革新的技術融合による次世代マイクロバイオデバイスの創製」講演会
    • 発表場所
      岡山
    • 年月日
      2010-09-22
  • [学会発表] Chemical Stimulation of Cultured Cells through Microhole Array2010

    • 著者名/発表者名
      Takashi Yasuda
    • 学会等名
      The 49th Annual Conference of Japanese Society for Medical and Biological Engineering
    • 発表場所
      大阪
    • 年月日
      2010-06-27

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公開日: 2012-07-19  

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