研究課題
光触媒として知られている"二酸化チタン"に超音波を照射すると活性酸素種(ラジカル分子)が生成する現象を我々は明らかにしている(二酸化チタン・超音波触媒法)。そこで、この現象を新規がん治療法として応用展開することを目標とした。すなわち、「腫瘍細胞を特異的に認識する機能性光触媒ナノ粒子」と「二酸化チタン・超音波触媒法」とを融合した、非侵襲的かつ臓器機能温存型の「新規がん治療法」の確立が本申請研究の目的である。本年度は、まず、分子標的生体分子を修飾した二酸化チタン・ナノ粒子の標的細胞への結合性を評価した。次に、分子標的生体分子を修飾した二酸化チタン・ナノ粒子を用いて、培養がん細胞への二酸化チタン・超音波触媒法による細胞損傷及び増殖阻害の検討を行った。その結果、「二酸化チタン・超音波触媒法」によってOHラジカルを発生させ,OHラジカルによる培養がん細胞の損傷・死滅効果を確認できた。さらに、この「二酸化チタン・超音波触媒法」による細胞損傷及び増殖阻害のメカニズム解析を行なった。その結果、この細胞損傷はアポトーシスによるものであることが分かった。最後に、分子標的生体分子を修飾した二酸化チタンのマウスなど小動物への適用性について検討した。
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