研究課題/領域番号 |
19300186
|
研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
宮脇 富士夫 東京電機大学, 理工学部, 教授 (50174222)
|
研究分担者 |
古田 勝久 東京電機大学, 未来科学部, 教授 (10016454)
福井 康裕 東京電機大学, 理工学部, 教授 (60112877)
正宗 賢 東京大学, 情報理工学系研究科, 准教授 (00280933)
|
キーワード | Scrub Nurse Robot / 手術器具先端自動挿入機能 / 手術器具交換 / 高度知能化 / reactive motion planning / 外科手術モデル化 / 手術器具使用情報 |
研究概要 |
I.Scrub Nurse Robot(SNR)3号機の開発:1)手術器具先端自動挿入機能:鏡視下手術では執刀医は手術器具を器械出し看護師から手渡され、それを体壁に貫通留置されている中空管の中に挿入し、体腔内の手術野で外科操作を行う。この中空管の入口は狭いため、非常に長い器具の挿入を1回の手術で数十回〜百数十回繰り返すことは執刀医にとって相当な負担となっている。この行為の代行がSNR3号機の特長であり、SNR自ら、器具先端が中空管入口に少し挿入されるように手術器具を提供する機能である。模擬手術実験で、SNRが執刀医代役の器具抜去を検知して、この機能を完了するまでに2.03±0.10秒(N=20)を要した。一方、実際の執刀医と看護師による通常の器具交換では、3.72±2.19秒(平均±標準偏差;N=128)かかっていたので、45%の時間短縮が達成できた。2)SNRの高度知能化:(1)リアルタイム視覚認識システム(執刀医の器具交換時の動作を実時間にISNRが視覚認識できるシステム)は一応の完成をみた。(2)学習機能:extended timed automata(Uppaal)を用いて、SNRがreactive motion planningを行うための基本骨格を記述した。 II.外科手術モデル化:1)状態遷移モデル:前記のUppaalを用いて、腹腔鏡下胆嚢摘出術の詳細なモデル化を行った。2)連続変数を用いたモデル化:器具交換時の執刀医の動作解析を3種類の手法(ニューラルネットワーク(ANARXモデル)、Kohonen map、統計学的アルゴリズム)を用いてモデル化した。 III.手術情報の収集と解析:腹腔鏡下胆嚢摘出術症例において、手術器具の使用に関する詳細な記録を取得し、SNRの器具予測のためのデータベース化を行っている。また、個々の症例データの解析は外科医のスキルの判定材料になり得ることが判った。
|