研究課題/領域番号 |
19300188
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研究機関 | 独立行政法人放射線医学総合研究所 |
研究代表者 |
村山 秀雄 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, チームリーダー (50166310)
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研究分担者 |
棚田 修二 国際医療福祉大学三田病院, 放射線科, 教授 (40116950)
赤羽 恵一 重粒子医科学センター, 研究員 (80202521)
山谷 泰賀 独立行政法人放射線医学総合研究所, 分子イメージング研究センター, 研究員 (40392245)
河合 秀幸 千葉大学, 理学部, 助教授 (60214590)
菅 幹生 千葉大学, 工学部, 助教授 (00294281)
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キーワード | PET / 核医学 / 画像診断装置 / 同時計数 / 放射線検出器 |
研究概要 |
全身用PET装置へ応用できるような低価格な検出器の開発を試みた。ライトガイドを用いず結晶配列内で光の広がりを作ることを考えるが、その際に、結晶間の反射材を取り除くだけでなく、底の一部にも反射材を挿入する手法を新規に考案し、低価格で汎用の光電子増倍管を用いる基礎研究を行った。新しい手法により位置弁別型光電子増倍管が不要な低価格な検出器の実現可能性を示すことができた。 Depth-of-interaction(DOI)検出器は、シンチレータを積層することによって検出深さの情報を得ることができる。散乱線は検出器に到達する前に511keVのエネルギーの一部を損失していることから検出深さが深いほど散乱線の影響を受けにくいと考えられる。DOI検出器の層ごとにエネルギーウィンドウを最適化することで散乱線を低減しつつ、装置のS/Nを改善する手法を提案した。全身用DOI-PET装置を模擬したシミュレーションにより、被検者散乱を低減しつつ検出器散乱を取得するためにエネルギーウィンドウをDOI検出器の層ごとに拡張する本手法の有用性を示すことができた。 体軸方向に2分割した検出器リングを離して配置し、物理的に開放された視野領域を有するOpenPETについて、画像再構成手法を開発し、HR+(検出器リング直径D=827.0mm、体軸視野W=153.6mm)を2台配置したOpenPETをシミュレーションし、OpenPETの実現可能性を示した。また、OpenPETにおける体軸分解能劣化の主原因は、検出器の欠損ではなく、結晶厚みによる視差であることが明らかになった。結晶を薄くすると感度が低下してしまうことから、検出器の深さ位置(DOI)情報を計測可能な検出器を用いて、結晶厚みを維持しつつ視差を抑制することが重要である。
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