研究分担者 |
藤野 英己 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (20278998)
石原 昭彦 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 教授 (90184548)
梶谷 文彦 川崎医療福祉大学, 医療技術学部, 教授 (70029114)
菅原 基晃 姫路獨協大学, 医療保健学部, 教授 (60010914)
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研究概要 |
二型糖尿病にみられる筋線維萎縮と毛細血管三次元ネットワーク構造の退行性変化、特に吻合路の狭小化を介して微小循環赤血球速度に変化を来すとする仮説を検証するため、早期と後期糖尿病における骨格筋微小循環の構造と循環動態の検討を行った。自然発症二型糖尿病モデル動物である内臓肥満型のOLETFラットおよびその対照動物LETOラットを用いて後脚筋であるヒラメ筋に見られる筋線維の変化と毛細血管三次元ネットワーク構造を造影剤投与灌流したヒラメ筋において共焦点レーザー顕微鏡により100マイクロメータの深さまで可視化した。ペンシル型CCD搭載生体顕微鏡を用いて微小循環の観察を行い赤血球速度の計測を行った。筋線維萎縮と相関を示す熱ショックタンパクー72(HSP-72)をウエスタンブロットにより分析した。16週の早期インスリン抵抗性を示す状態では吻合路毛細血管径の狭小化および吻合路毛細血管数の増加がみられるとともに微小循環赤血球速度の亢進が観察されたが、筋萎縮が進行した二型糖尿病後期ではHSP-72および血管新生因子(VEGFファミリー,Angiopoietin-Tie2ファミリー)が減少し,血管構造の退行性変化および微小循環赤血球速度の低下を来すことが観察された。これら糖尿病に伴う骨格筋の微小循環動態,毛細血管構造の変化に対し,プレコンディショニングによる治療的運動が病態の予防効果をもたらすことができるかについて,今後検証を行う.
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