研究課題/領域番号 |
19300198
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
鈴鴨 よしみ 東北大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (60362472)
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研究分担者 |
出江 紳一 東北大学, 大学院・医工学研究科, 教授 (80176239)
外園 千恵 京都府立医科大学, 大学院・医学研究科, 講師 (30216585)
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キーワード | 医療・福祉 / リハビリテーション / ロービジョン / QOL / 拡大読書器 |
研究概要 |
本研究は、視覚障害のリハビリテーションであるロービジョンケアをロービジョン者の生活の場である自宅に拡大して実践し、その効果を検証して訪問リハビリテーションの有用性と適切なケアのあり方を明らかにすることを目的とした。本研究は、諸般の事情により21年8月31日まで繰越すことを申請し許可された。 本年度は、前年度に作成された拡大リハビリテーションプログラム(拡大読書器用)の効果を検討するために、非無作為化比較試験を実施した。4施設(京都府立医大、東北大、多治見市民病院、山縣眼科医院)から登録された33例中脱落した7例を除いた26例が、訪問ケア群14例、外来ケア群12例に振り分けられた。そのうち、研究期間(平成21年8月31日まで)内にケア終了時のデータが解析可能であった13例(訪問リハ群9例)の結果を示す。訪問ケア群および外来ケア群の指導前と指導直後の拡大読書器操作の習熟度や視機能関連QOLが、一般線形モデル(反復測定)を用いて比較された。操作習熟度や読書速度・書き速度は両群とも指導前後で有意に上昇した。視機能関連QOLの「近見視力による行動」(訪問群と外来群の指導前後の変化量:17.6vs14.6)領域も、両群で向上がみられた。一方、視機能関連QOLの「社会生活機能」(11.1vs3.1)、「役割機能」(8.3vs0.0)、「心の健康」(13.2vs0.0)は訪問群でのみ有意に向上した。 以上より、マニュアルによって標準化された指導方法は、指導の場所に関わらずCCTVの操作習熟度を高めるであろうこと、訪問指導は役割機能や心の健康などのQOL側面を高める可能性があることが明らかになった。今後、全登録症例のデータを用い、指導の長期効果(3ヵ月後)も含め解析し、結果を公開していく。
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