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2007 年度 実績報告書

リズムの相互同調を用いた歩行安定化システムの高齢者転倒予防への有効性評価

研究課題

研究課題/領域番号 19300200
研究機関東京工業大学

研究代表者

三宅 美博  東京工業大学, 大学院・総合理工学研究科, 准教授 (20219752)

研究分担者 武藤 剛  青山学院大学, 理工学部, 助教 (50433701)
キーワードリズム同調 / 歩行 / 転倒予防 / 高齢者 / 引き込み / ダイナミカルシステムズアプローチ / 共創システム
研究概要

高齢者が「若い人と一緒だと長い道のりでも楽に歩けた」と話すのを聞いたことのある人は多いであろう。このことは歩行という運動もインターパーソナルな相互作用の中で共に創り上げられること(共創)を意味している。そこで、われわれは、このような動的相互作用を運動リズムの相互同調プロセスとしてモデル化し、歩行介助システムへの応用を進めてきた。本研究は、このような個体間でのリズム同調によって生成する歩行運動の動的安定化という特性を、高齢者の転倒予防に活用することを基本的な目標としている。
前年度には歩行運動の動的安定性を評価するための評価方法の開発に成功した。具体的には、歩行時の腰軌道の運動学的性質や動力学的性質を分析するために、バイオメカニクスを考慮した腰軌道の運動学的解析や軌道データの非線形時系列解析によるリアプノフ指数の推定を行ない、それに基づいて歩行の動的安定性の評価指標を開発した。これらの成果を踏まえて、本年度は上記の指標に基づいて、高齢者における歩行安定化への有効性評価を実施した。
上記の評価指標の開発に際して用いた歩行障害の分類と対応付けて体系的に評価をするために、健康な高齢者、脳神経系疾患、整形外科疾患の高齢者と対象を分類して、リズムの祖互同調に基づく歩行介助システムによる歩行安定化への評価を試みた。手順としては、最初に被験者からの腰軌道データを収集し、これに対して運動学的解析および非線形時系列解析を行い、最終的に、それらの結果に基づいて動的安定性への有効性評価を実施した。
その結果、歩行リズムの相互同調に基づく歩行安定化の効果が、運動学的および動力学的に確認された。特に、片麻痺患者およびパーキンソン病患者に顕著な有効性が確認された、この成果を踏まえて、次年度には高齢者における転倒予防への有効性評価を実施する予定である。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2009 2008 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Interpersonal synchronization of body motion and the Walk-Mate walking support robot2009

    • 著者名/発表者名
      Y. Miyake
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Robotics (in press)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 共創とコミュニケーション2008

    • 著者名/発表者名
      三宅美博
    • 雑誌名

      人工知能学会誌 23

      ページ: 659-664

  • [雑誌論文] 共創的介助システム Walk-Mate の片麻痺歩行への適用2008

    • 著者名/発表者名
      石澤一紀、和田義明、三宅美博
    • 雑誌名

      第20回自律分散システムシンポジウム資料 20

      ページ: 1-6

  • [学会発表] パーキンソン病における共創型介助システム Walk-Mate の有効性評価2008

    • 著者名/発表者名
      青木清志, 石澤一紀, 和田義明, 織茂智之, 三宅美博
    • 学会等名
      第9回SICEシステムインテグレーション部門講演会講演論文集
    • 発表場所
      長良川国際会議場
    • 年月日
      2008-12-07
  • [図書] エージェントベース社会システム科学宣言2009

    • 著者名/発表者名
      三宅美博, 他9名
    • 総ページ数
      150
    • 出版者
      勁草書房
  • [備考]

    • URL

      http://www.myk.dis.titech.ac.jp

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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