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2007 年度 実績報告書

セントラルコマンドは運動時の脳血流量を制御するのか?

研究課題

研究課題/領域番号 19300206
研究機関日本女子体育大学

研究代表者

定本 朋子  日本女子体育大学, 体育学部, 教授 (30201528)

研究分担者 松川 寛二  広島大学, 大学院・保健学研究科, 教授 (90165788)
佐藤 耕平  日本女子体育大学, 体育学部, 助教 (00409278)
キーワード筋紡錘 / バイブレーション / 静的運動 / 椎骨動脈血流量 / 中大脳動脈血流速 / 部位差 / 心拍数 / 主観的運動強度
研究概要

筋紡錘へのバイブレーションは当該筋の張力を反射性に増加させるため,一定筋力発揮時には高位中枢からの運動指令が少なくてすむ。この機序を用いて,運動指令由来のセントラルコマンドが脳血流動態に及ぼす影響を検討した。静的肘屈曲動作による一定筋力発揮時に,上腕二頭筋へのバイブレーションを与える条件(セントラルコマンドがコントロール条件より少なくてすむ条件)と与えない条件(コントロール条件)において,中大脳動脈血流速度および椎骨動脈血流量の反応を検討した。心拍数および主観的運動強度は,コントロール条件に比べ,バイブレーション有り条件の方が有意に低くなっていた。また平均血圧と心拍出量も低下傾向を示した。さらに椎骨動脈血流量も,バイブレーション有り条件の方がコントロール条件よりも有意に低いことが明らかとなった,しかし,中大脳動脈血流速度には,バイブレーションの有無による差はみられなかった。これらの結果から,セントラルコマンドによる脳血流調節には部位差があり,主として脳幹・小脳・脊髄といった部位へ血液供給をする椎骨動脈血流量には,セントラルコマンドが有意な影響を及ぼすと考えられた。一方,大脳皮質への血液供給を担う中大脳動脈血流量には,セントラルコマンドによる影響が及び難いと考えられた。このような部位差を生む仕組みは明らかではないが,脳幹には循環中枢があり,心拍数などの循環変数がバイブレーション有り条件で低下したことから,それに応じた脳幹部位の神経活動に低下が生じ,その結果,バイブレーション有り条件の椎骨動脈血流量の低下がもたらされたのかも知れない。今後の詳細な検証が必要である。

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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