平成20年7月12目〜22日、武道文化フォーラム(NPO法人、本部ブダペスト)の協力をえて、ハンガリー剣道連盟主催剣道セミナーおよびハンガリーカップにおいて、外国人向け武道文化教材開発のための調査、および昨年度における本研究の成果物DVD「剣道具にみる職人の技と心」(60分)の発表をおこなった。調査により東欧諸国における武道文化に関する関心事が把握できた上に、DVD教材の発表により武道の文化性を視覚的にうったえかけることができ、大きな成果をあげることができた。 呪術宗教的観念論に関する映像教材を作製するため、現代を代表する刀匠藤安将平氏に依頼し、平成20年6月5日から9日にかけて、鹿島神宮の神域において日本刀の奉納鍛錬を行なった。また、本年9月1日は、当神宮に6年に一度天皇勅使が参行する例祭にあたり、この特別な日に正式奉納を行った。以上の工程を記録映像として編集し、武道文化教材DVD「武の聖地鹿島神宮で執り行う日本刀奉納鍛錬」(60分)として完成させた。鹿島神宮は武の神タケミカヅチを祀る由緒ある社であり、ここで刀剣を鍛錬し奉納するのは『常陸国風土記』に記されている慶雲元年(704)以来のことであり、実に千三百年ぶりの神事ということになった。これを実現し、また記録映像として残せたことは、今後の武道文化論において大きな意義があることは間違いない。
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