研究概要 |
本研究のテーマは、研究レベルでの成果をいかに現場に還元するか、ということである。 そのために、文献学的基礎研究と、その研究成果を社会に還元するための教材(テキストおよびDVD映像)の開発、さらにその研究成果物の発表を行うものである。 昨年度までに、特にDVD教材に関しては「剣道具にみる職人の技と心」および「武の聖地鹿島神宮で執り行う日本刀奉納鍛錬」を完成させている。これについては、映像記録(NPO法人)の協力を得て、非常に高い撮影・編集技術をもって映像を完成することができた。 本年度は、以上の研究成果を発表し、社会に還元することを中心に、当プロジェクトの活動を進めた。 まず、研究成果物DVDを、ハンガリー(ブダペスト)およびルーマニア(ブカレスト他各地)において各国剣道連盟が主催するセミナーで、「日本人の精神世界」(Japanese Deep Spiritual World)と題して発表した。 また、日本学術振興会「ひらめきときめきサイエンス~ようこそ大学の研究室へ~KAKEN」に応募採択され、「深いぞ凄いぞ日本の武道~文化としての剣道の魅力~」というテーマで、本プロジェクトの研究成果を中学生を対象として還元する事業を行った。 両企画とも大きな反響があり、高い評価を得ている。この研究成果物DVDについては、翻訳され、Forum for Budo Culture(NPO,本部ブタペスト)を通じて欧州各地に発信される予定である。 また、文献学的研究成果の社会還元として、『月刊武道』(日本武道館)において「刀剣の歴史と思想」、『剣道日本』(スキージャーナル)において「世界に発信したい剣道の歴史」と題した連載も進めていおり、多方面から高く評価されている。 国内のみならず欧州を中心とした反響と高い評価から、三年にわたる本プロジェクトの目的は十分に果たせたものと考える。
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