研究概要 |
歩および走動作においては,移動速度(歩・走速度)が小さい場合には「筋活性度の2乗和」が最適な目的関数であり,移動速度が大きくなるにしたがって3乗和,4乗和とべき乗の数が大きくなる傾向がみられた.跳躍動作においては「筋応力」が対象となり,跳躍の努力度が大きくなるにしたがって筋応力の2乗和,3乗和,4乗和とべき乗の数が大きくなる傾向がみられた.さらに着地動作においては着地動作全体を通して適した目的関数は「筋応力の2乗和」であるが,着地直前の拮抗筋の共縮局面での筋力の推定精度が低くなった.以上の結果から,身体運動における運動決定規範(最適化における目的関数)について,複数の先行研究で「筋活性度の3乗和が目的関数として適している」と言われてきたことに対して異議を唱えるものであり,重要な結論を得たといえよう.
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