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2008 年度 実績報告書

反射性循環調節の複合作用とそのトレーニング効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19300215
研究機関筑波大学

研究代表者

西保 岳  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 准教授 (90237751)

キーワード筋代謝受容器 / 心拍変動 / 血圧変動
研究概要

50人の健康な成人の被験者に対して,筋代謝受容器を刺激するために、1分間の静的ハンドグリップ運動を行い、運動終了直前5秒前から4分間の前腕止血を続けて行った。この4分間の止血期間(PEMI)は、運動によって生じた代謝産物を運動後も筋に保持しているため筋代謝受容器を選択的に刺激する期間と考えられる。止血期間における、動脈血圧(SAP)変化、呼吸反応、心電図RR間隔(RRI)変化等を測定し、それらの変化の相互関係を検討した。特に、心拍数、動脈血圧の変動をそれぞれ周波数解析するとともに、血圧反応や心拍反応に対する遅れ時間や反応の生ずる確率などをそれぞれ解析し、筋代謝受容器反射と動脈圧受容器反射との連関を検討した.
その結果、PEMIによるRRIの変化量とSDR-R,高周波(HF)パワーの変化量との問に有意な正の相関関係がみられたが,RRIの変化量と低周波(LF)パワー,LF/HFの変化量との間に有意な相関関係はみられなかった。SDR-R,およびRRI変動のHFパワーは心臓副交感神経活動の指標であり,RRI変動のLFパワーには心臓交感・副交感神経活動の両方が関与し,LF/HFは心臓交感神経活動の程度を反映すると考えられている.これらのことから,筋代謝受容器刺激時におけるHR反応の個人差には,主に心臓副交感神経の応答が関係することが示唆される.また,PEMIによるRRIの変化量とLF-Gainの変化量との間に有意な正の相関関係がみられた.SAP-RRIのLF-Gainは動脈圧受容器反射のHR調節の感受性(BRS)の指標とされている.したがって,筋代謝受容器刺激時におけるHR反応の個人差には,BRSも関与していると考えられる.

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] Baroreflex and muscle metaborenex: control of muscle sympathetic nerve actlVlty.2008

    • 著者名/発表者名
      Ichinose M, Saito M, Kondo N, Nishiyasu T.
    • 雑誌名

      Med Sci Sports Exerc. 40(12)

      ページ: 2037-2045

    • 査読あり
  • [雑誌論文] The effect of hypohydration on hyperthermic hyperpnea and cutaneous vasodilation during exercise in men.2008

    • 著者名/発表者名
      Fujii N, Honda Y, Hayashi K, Kondo N, Nishiyasu T.
    • 雑誌名

      J Appl Physiol. 105(5)

      ページ: 1509-1518

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Modulation of the control of muscle sympathetic nerve actity during incremental leg cycling.2008

    • 著者名/発表者名
      Ichinose M, Saito M, Fujii N, Ogawa T, Hayashi K, Kondo N, Nishiyasu T.
    • 雑誌名

      J Physiol. 586(11)

      ページ: 2753-2766

    • 査読あり
  • [学会発表] Regulation of blood pressure and sympathetic nerve activity during exercise in humans-muscle metaboreflex and arterial baroreflex function-2008

    • 著者名/発表者名
      Nishiyasu T, Saito M, Kondo N, Ichinose M.
    • 学会等名
      2008 Korean Society of Exercise Physiology Summer Conference
    • 発表場所
      Daegu, Korea
    • 年月日
      2008-06-21

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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