運動を行うとMEF2を介した転写活性化がおこることが多数報告されている。GLUT4の発現調:節領域にもMEF2結合部位があるため、運動によるGLUT4発現増加にMEF2結合部位が関与している可能性がある。そこで骨格筋特異的にMEF2Aを過剰発現させたマウスを作製し、1ラインのFOを得た。 骨格筋でのみMEF2A発現が2倍程度増加し、白色脂肪細胞、褐色脂肪細胞、肝臓、脾臓、肺、脳には発現は認められなかった。又、MEF2Aによって制御されているとされる遺伝子GLUT4およびPGC-1Ct発現量をreal time PCR法で調べたが、増加は認められなかった。GTT(経口糖負荷テスト)を行っても野生型マウスとの間に差は認められなかった。このマウスに運動負荷をかけてもその変化にトランスジーンの影響は認められなかった。 1ラインのマウスしか調べていないが、MEF2AはGLUT4発現量を増加させなかった原因としてMEF2Aの発現量が少なかった可能性がある。今後、より過剰にMEF2Aを発現したトランスジェニックマウスを新たに作成し、その表現型を調べる。又、MEF2Aのdominant negative miceを作成し、MEF2Aの機能を抑制した場合、GLUT4の発現が抑えられるかどうか調べる。更に、GLUT4発現を制御する新しい転写因子を探索するため、各種転写因子の活1生化剤をマウスに投与し、筋肉に於いてGLUT4発現量が変化するかどうか明らかにする。
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