研究課題
高脂血症、耐糖能異常や骨粗しょう症などの加齢疾患の発症に関わるLRP5/Wntシグナリングを明らかにするために、高度に精製したリガンドやアンタゴニストであるDkk、可溶性のレセプター阻害剤であるsFRPや可溶性ドミナントネガティブなレセプターを発現・精製し、個体と細胞レベルでのLRP5シグナリングの影響を解析するのが、本研究の計画の概要です。昨年度にば精製LRP5のリガンド、アンタゴニスト、レセプター阻害剤の調製を行い、今年度は種々の加齢疾患マウスを用いて、コレステロール、中性脂肪、血糖などの血清パラメーターや耐糖能、骨密度の測定などを行い、その影響を解析し、さらに、得られた結果を細胞レベルの実験系にフィードバックし、LRP5/Wntシグナリングを分子・細胞レベルで明らかにする計画です。LRP5/Wntシグナリングについては、どのような細胞内カスケードを用いているかは、いまだ不明で、これらの点も含め、プロテオソームレベルで明らかにしたい。また、精製したLRP5/Wntリガンドとアンタゴニストを用いて、高脂血症、耐糖能異常や骨粗しょう症などの加齢疾患の防御や治療に応用することも計画しています。このためには大量精製が必要で、そのために、高発現系や大量精製のシステム作りを計画しています。これらの結果、リポタンパク代謝異常や動脈硬化の発症・進行、耐糖能異常、カルシウム代謝異常におけるLRP5/Wntシグナリングの役割が明らかになると期待されます。
すべて 2007
すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)
Journal of Biological Chemistry 282(26)
ページ: 19052-19061