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2008 年度 実績報告書

高齢者における免疫機能の低下に対する運動効果に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 19300228
研究機関筑波大学

研究代表者

河野 一郎  筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (00132994)

研究分担者 赤間 高雄  早稲田大学, スポーツ科学学術院, 教授 (60212411)
秋本 崇之  東京大学, 大学院・医科学系研究科附属疾患生命工学センター, 講師 (00323460)
キーワード運動 / 免疫機能 / 加齢
研究概要

分泌型免疫グロブリンA(secretory immunogrlobulin A:SlgA)は唾液や涙,腸間膜においても分泌され,病原体の粘膜下への侵入を防ぐ役割を持つことから,粘膜免疫系における主要なエフェクターとされている.成熟したB細胞よりIgAは分泌され,上皮細胞の基底膜に発現するpIgRと結合し,SlgAとなり分泌される。継続的な運動は,唾液S豆gAの分泌を増加させるとされている.本課題では,SIgA分泌過程において,運動による変化がどのポイントで生じているのかを検討することで運動によるSIgA分泌の変動のメカニズムを探る.そこで,運動が脾臓および腸間膜リンパ節におけるリンパ球に与える影響について検討することを目的とした.20ヶ月齢の高齢ラット(n=27)を対象とし,運動群(n=18)および非運動群(n=9)に分けた.運動群は,トレッドミルによる走運動を1日30分,週5回を10週間継続して実施した.速度は15m/minから開始し,10週間後では22m/minまで達した.なお,傾斜は0。とし,電気刺激は用いなかった.各群ともに運動期間終了後にと殺し,脾臓および腸管膜リンパ節を摘出し,T細胞,ヘルパーT細胞,細胞傷害性T細胞,CD28発現T細胞,B細胞およびlgA発現B細胞の割合をフローサイトメーターを用いて測定した.腸間膜リンパ節のT細胞,ヘルパーT細胞,細胞傷害性T細胞,CD28発現T細胞,B細胞およびIgA発現B細胞について,両群間に統計的な有意差は認められなかった.脾臓のヘルパーT細胞,細胞傷害性T細胞およびCD28発現T細胞は非運動群に比べて運動群において有意に高かった(p〈0.05).B細胞については,有意な差は認められなかった.運動によって,ヘルパーT細胞細胞傷害性T細胞およびCD28発現T細胞が増加したこと,またB細胞が変動しなかったことから,運動によってB細胞よりもT細胞によるIgA調節能の経路が亢進する可能性が考えられた.

  • 研究成果

    (3件)

すべて 2008

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] Effect of moderate exercise training on T-helper subpopulations in elderly people2008

    • 著者名/発表者名
      K. Shimizu, F. Kimura, T. Akimoto, T. Akama, K. Tanabe, T. Nishijima, S. Kuno, I. Kono
    • 雑誌名

      Exercise Immunology Review 14

      ページ: 24-37

    • 査読あり
  • [学会発表] 継続性運動による高齢ラットのリンパ球の変動2008

    • 著者名/発表者名
      野倉圭輔,清水和弘,木村文律,鈴木智弓,荘雅筑,枝伸彦,亀井雄太,河野一郎,赤問高雄
    • 学会等名
      第63回日 本体力医学会大会
    • 発表場所
      別府ビーコンプラザ
    • 年月日
      2008-09-20
  • [学会発表] 高齢者における免疫機能の低下に対する運動効果2008

    • 著者名/発表者名
      清水和弘,相澤勝治,鈴木なつ未,難波秀行,今井智子,秋本崇之,久野譜也,目崎登,河野一郎,赤間高雄
    • 学会等名
      第63回 日本体力医学会大会
    • 発表場所
      別府ビーコンプラザ
    • 年月日
      2008-09-18

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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