研究概要 |
【目的】健常者に対する3日間の高脂肪食が骨格筋細胞内脂質とインスリン感受性に与える影響とその規定因子について明らかとすることを目的とした。【方法】健常男性38名に対して、普通食とそれに引き続く高脂肪食をそれぞれ3日間ずつ摂取させ、インスリン感受性(GIR)と骨格筋細胞内脂質(IMCL)をそれぞれ高インスリン正常血糖クランプ検査、1H-MRSにより測定した。【結果】3日間の高脂肪食摂取で、ヒラメ筋および前脛骨筋におけるIMCLは有意に増加し、ヒラメ筋におけるIMCLの変化とGIRの変化には有意な負の相関を認めた(r=-0.39, P<0.05)。運動習慣の無い対象者においてはヒラメ筋において身体活動量と高脂肪食摂取後の骨格筋細胞内脂質の増加率に強い負の相関を認めた(r=-0.72, P<0.01)。【結語】高脂肪食によりIMCLが増加しやすい人ほどインスリン抵抗性を発症しやすく、運動習慣が無い者においては、身体活動量がその規定因子の一つであることが示唆された。
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