研究課題
我々は、現在までに大豆イソフラボンが閉経後骨粗鬆症モデル動物において、骨量減少を抑制することを報告してきた。また、閉経後の健常な日本人女性を対象に、大豆イソフラボンの介入試験を行い、イソフラボン摂取群ではダイゼインの代謝産物であるエクオールの産生者は非産生者に比べて骨量の減少率が低いことを明らかにした。これらのことから、エクオール産生を高めることにより、閉経後の骨量減少を効率よく抑えることができると考えられた。そこで本研究では、エクオール産生を高める食品成分を検索し、最終的には、ヒトにおけるエクオール産生能に対する影響を評価する。昨年度は難消化性オリゴ糖及び水溶性食物繊維がエクオール産生を亢進することを動物モデルで明らかにした。今年度は、閉経後の健常なエクオール産生女性20名を対象に、フラクトオリゴ糖(FOS)がエクオール産生に及ぼす影響を評価した。試験は2週間ずつのプラセボ対照クロスオーバー試験を実施し、大豆イソフラボン25mg/日と同時に、FOSままたはショ糖を摂取した。対象者の平均年齢は52歳、閉経後年数は8年であった。エクオール産生は尿中エクオール濃度を時間分解蛍光免疫法により測定した。その結果、FOSの摂取は、対象者の尿中エクオール濃度に影響しなかった。これらの結果から、閉経後のエクオール産生者において、少なくとも2週間のFOS摂取により、イソフラボンからエクオールへの代謝は促進されない可能性が示唆された。今後はエクオール非産生者について検討する予定である。
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