靴型設計は経験と技能に基づき職人芸的な手法で靴型は作られていた。これらは標準的な足型形状に合うように作られているが、非標準の足形状をもつ個人に適合する靴型を自動生成するはニーズがあり重要である。しかしながら個人用の靴型製作では靴製作コストが高くなる。一方、従来の製靴工場で保存されている靴型はバリエーションが多く、一度使用されたら使われないことが多い。その中には非標準の足型に対応するものがあっても、その適合度がわからないために後は使えない。そこで、保存されている靴型を再利用し、特注で製作する靴型数を減らし、コストを削減するために、靴型のデータベース化を行うことが重要となってくる。これらの課題に共通する問題として、標準の足形状用に適合するように製作された靴型と非標準の足型に適合するように製作された靴型との違いを適合性評価を行うための指標の開発のための研究を行い、靴型の形状特徴を抽出して指標化を行う手法を開発した。具体的には、従来の靴型設計の工程を詳細に調査し、靴型生成の基準となる特徴線群を創生する過程をコンピュータ化した。その特徴線群を用いて、標準の靴型を変形させることで目的の靴型を生成する手法を開発した。また、この特徴線群を靴型の形状特徴量(特徴ベクトル)として利用することで、靴型の特徴を特徴ベクトルで表現することで、特徴ベクトル間の距離を定義することで類似度を決めることができ、これを適合性評価指標とすることで、データベース化したときの検索キーとすることも可能となる。
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