研究概要 |
本研究課題は「個人が地域のため,自分の家の前を見守る」という,e目警ネットワークのコンセプトを地域社会に浸透させるという,実践を指向したものである。 1.平成19年度は地域会社に対する啓蒙として,(1)開発した監視ソフトウェア「代理EYE Lock」によるプライバシー保護機能付きシステムの試験導入を桐生市・伊勢崎市ならびに高崎市にて実施した。(2)桐生市駅前にて街頭アンケートを実施し,本コンセプトが一般に受け入れたれるかどうかに関する調査を行った。(3)群馬大学各キャンパスでの導入を積極的に進め,特に工学部のほぼ全ての建屋には「e目警ネットワーク監視カメラシステム作動中」というサインの設置を実現した。(4)本コンセプトの適用例として高齢者を介護する施設への導入を進め,介護施設ならびに遠隔地の家族が介護対象の高齢者をいつでも見守ることができるシステムのプロトタイプを構築した。(5)既に導入している監視カメラシステムの安定性向上のための様々な取り組みとして,様々なカメラとソフトウェア「代理EYE」シリーズとの接続性検証,マニュアルやFAQの整備を行った。 2.新たな情報技術開発としては,(1)Linux/Mac版代理EYEの開発がほぼ完了した。(2)自動販売機への監視カメラ組込みを目標に,小型かつメンテナンスフリーの監視システムの開発を行い,試作機が完成した。(3)白黒画像から元画像の色を推定・復元する技術を開発した。 本年度の活動を通じて,学術論文2件,国際会議5件の発表を行った。加えて群馬県警本部から感謝状3通,桐生警察署・伊勢崎警察署から感謝状それぞれ1通を授与された。さらに共同研究先のNPO法人飛組が平成19年10月に「安全・安心なまちづくり関係功労者表彰」内閣総理大臣賞を受賞した。これらは,私々の研究が国家や地域社会で認められつつあることの証拠であり,地域社会の安全に大学が貢献できたという大きな意義がある。
|