研究課題/領域番号 |
19300241
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
中井 孝章 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (20207707)
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研究分担者 |
松島 恭子 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (20132201)
篠田 美紀 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (10285299)
長濱 輝代 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 講師 (40419677)
三船 直子 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (30336929)
小伊藤 亜希子 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (90257840)
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キーワード | 三世代交流共生住宅 / 世代間交流 / 幼老統合ケア / 経済的効果 / 教育的効果 / 認知面 / 行動面 / エンパワメント |
研究概要 |
本研究では、ミクロ/メゾ/マクロレベルにおいて世代間交流の実践および理論を研究してきたが、そのうち、特にメゾレベルとして、高齢者と子どもが日常,持続的に相互交流する三世代交流共生住宅(宅幼老所)でのフィールドワークを継続的に行ってきた。それは、高齢者と子どもを相互交流させたり相互交流を組織化したりすることにより,ケアの相乗効果(経済的効果と教育的効果)をねらったものである。約3年間にわたる認知面および行動面に対するフィールドワークと評定の結果、子どもと一緒に料理づくりを行った上で一緒に食べたり、ゲーム等で遊んだり、散歩したりすることにより、認知面(記憶力、思考力、想起力など)および行動面(生活習慣力、実行力、コミュニケーションカなど)の両面において向上がみられた高齢者が18名中11名(顕著な者は5名)、交流前後で変化がなかった高齢者が1名、反対に、状態がかなり悪化した(マイナス効果の)高齢者が4名(顕著な者は2名)いることが判明した。この結果から、概ね、高齢者は子どもとの交流でエンパワメントされるが(その意味では幼老統合ケアの効用が証明されたが)、一部の高齢者にとってはマイナス効果をもたらすことから、幼老統合ケアは、高齢者の生活状況、心身状態、特性などを見極めた上で実践していくべきであることが明らかになった。また、フィールドワークや聞き取り調査から、高齢者がかまどでのご飯焚きや整理整頓など得意なこと(昔取った杵柄)を施設職員に代わりに行うことにより、施設としてはかなりの経済的効果が出ることがわかった。
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