研究課題/領域番号 |
19300243
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
畠中 宗一 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 教授 (10141855)
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研究分担者 |
平木 典子 東京福祉大学, 大学院・社会福祉学研究科, 教授 (50238870)
中釜 洋子 東京大学, 大学院・教育学研究科, 教授 (40272489)
友田 尋子 甲南女子大学, 看護リハビリテーション科学部, 教授 (30237135)
北川 歳昭 就実大学, 人文科学部, 教授 (30195250)
川崎 末美 東洋英和女学院大学, 人間科学部, 教授 (70214624)
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キーワード | 情緒的自立 / 関係性のなかでの自立 / 家族発達 / 対人関係トレイニング / 政策主体における自立 |
研究概要 |
「尺度開発とその規定要因」研究班では、新たに以下の知見が付加された。すなわち、乳幼児を抱える母親へのナラティブ・アプローチの導入によって「関係性のなかでの自立」得点が高まること(川村)、「関係性のなかでの自立」が父親も母親も高い群は育児行動が高いこと(田辺)、デンマークと日本の若者の「関係性のなかでの自立」に関する比較研究で、デンマークの若者の関係性を生きる力の高さが実証されたこと(川崎)。「家族発達と情緒的自立」研究班では、アタッチメント、自己分化、親への忠誠心などの近接概念との異同を論じながら、家族発達のそれぞれの局面における関係性のなかでの自立としての情緒的自立の課題を明らかにした。「政策主体と自立」研究班では、理念的には「関係性のなかでの自立」が志向される方向を読み取れるが、現実の子育て支援は、親の就労支援としての性格が強く、親の養育責任を明確にしたうえで、親子が向き合う環境を整えるという方向にはない。これを可能にするためには、「関係性のなかでの自立」が、現実の水準で機能することが必要である。「対人関係トレイニングと情緒的自立」研究班では、対人関係トレイニングの有効性が実証された。4つの研究班の研究成果から、「関係性のなかでの自立」という概念は、それを尺度として一般化し、それを道具として、臨床及び福祉実践への媒介ツールとして位置付けることができる、と結論付けた。詳細は、刊行予定の報告書を参照のこと。
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