研究課題/領域番号 |
19300247
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研究機関 | 大阪市立大学 |
研究代表者 |
菊崎 泰枝 大阪市立大学, 大学院・生活科学研究科, 准教授 (60291598)
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研究分担者 |
中谷 延二 放送大学, 教養学部, 教授 (10011941)
岩本 嗣 大阪府環境農林水産総合研究所, 食の安全研究部, 主任研究員 (10333428)
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キーワード | 大阪産野菜 / フキ / 葉ゴボウ / フラボノイド / コーヒー酸関連化合物 / フキノール酸 / ラジカル捕捉活性 |
研究概要 |
遺伝的背景の明らかな大阪産野菜や果実類の食品機能性の評価および機能成分の解明を行うことを目的に、本年度、水ナス、葉ゴボウ、毛馬キュウリ、勝間南瓜、イチジクを収集した。極性の異なる溶媒で抽出・分画し、DPPHラジカル捕捉活性、チロシナーゼ、ヒアルロニダーゼ、リパーゼの各酵素阻害活性を測定した。その結果、DPPHラジカル捕捉活性は葉ゴボウの葉、水ナスの皮、チロシナーゼ阻害活性はイチジク、リパーゼ阻害活性は水ナス、葉ゴボウの葉、毛馬キュウリと勝間南瓜の種、イチジク、ヒアルロニダーゼ阻害浩性は水ナスの皮、葉ゴボウの葉、勝間南瓜の実、イチジクの各抽出物に認められた。本年度はひきつづき大量収集が可能であった葉ゴボウに焦点をあて、強いDPPHラジカル捕捉活性を示した酢酸エチル可溶部およびブタノール可溶部を各種クロマトグラフィによって精製して、9種の化合物を単離し、各種機器分析により構造を決定した。その結果、ルチン、クロロゲン酸をはじめ、その関連物質であることが判明した。また、HPLCによりルチン、クロロゲン酸の定量を行い、葉ゴボウの示すDPPHラジカル捕捉活性の大部分がこの2種の化合物由来であることがわかった。一方、品種改良を行い、えぐ味が少なく日持ちのよい新品種のフキ「大阪農技育成1号」を育成し、その葉の部分に含まれているヒアルロニダーゼ阻害活性成分のフキノール酸が強いラジカル捕捉作用を示すことを明らかにした。また、各種栄養成分の季節変動を追跡し、収穫時期により栄養成分含量に差が認められたが、いずれも高い水準で推移しており、フキの葉はビタミン、ミネラル、食物繊維に富む食材であることがわかった。
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