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2008 年度 実績報告書

"味"をデザインするタンパク質「ネオクリンとミラクリン」の調理への応用

研究課題

研究課題/領域番号 19300248
研究機関東京大学

研究代表者

朝倉 富子  東京大学, 大学院・農学生命科学研究科, 特任准教授 (20259013)

キーワード味覚修飾タンパク質 / ネオクリン / ミラクリン / 甘味タンパク質
研究概要

ネオクリンとミラクリンは、酸味を甘味に変換するユニークな活性を有するタンパク質である。ネオクリンは、西マレーシア原産のフルーツCurculigo latiforiaの果実に存在し、この果物を口に含むと爽やかな甘味を感じるが、その甘味はやがて消失する。しかし、その後、酸や水を味わうと甘く感じられ、その活性は数十分持続する。一方、ミラクリンは、ミラクルフルーツの実に含まれ、ネオクリンと同様、酸を甘味に変える活性をもつが、それ自身を味わっても甘味は感じられない。一般的に酸味は甘味とは異なり、腐敗物を連想させる味として必ずしも好ましいとは認知されない。しかし、酸は体調を整えたり、体内のpHバランスを調整するために必要で、近年、酢の健康への効果が注目されている。本申請研究では、酸を誰もが好ましい味と感じる甘味に変化させる味覚修飾タンパク質を利用して、酸を摂取しやすくすることを目的とする。
ネオクリンはその構造がレクチンと類似していることから、安全性の確認を行った。ネオクリンはレクチンの示す血球凝集活性を有さなかった。また、Caco-2細胞にネオクリンを添加し、トリパンブルー染色および、DNAマイクロアレイ解析による発現遺伝子変動を調べた結果、ネオクリン添加によって細胞の増殖は影響を受けず、ネオクリン無添加の細胞と比較して、発現が著しく変動する遺伝子は抽出されなかった。Curculigoの果実で生産されるネオクリンは、開花後約6週間で完熟となる果肉lgあたり1.3mgが得られた。糖鎖の付加されていない分子種の存在も確認されたことから、大腸菌を用いた発現系も有効であることが示唆された。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 5件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Signal peptide peptidase and its homologs in Arabidopsis thaliana-planttissue-specific expression and distinct subcellular localization.2008

    • 著者名/発表者名
      Tamura, T
    • 雑誌名

      FEBS J. 275

      ページ: 34-43

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Application of an Aspergillus saitoi protease preparation to soybean curd to modify its functional and rheological properties2008

    • 著者名/発表者名
      Nishinoaki, M.
    • 雑誌名

      Biosci. Biotech. Biochem. 72

      ページ: 587-590

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Biochemical and Genomic Analysis of Neoculin Compared to Monocot Mannose-Binding Lectins.2008

    • 著者名/発表者名
      Shimizu-Ibuka, A.
    • 雑誌名

      J. Agric. Food Chem. 56

      ページ: 5338-5344

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Acid-induced sweetness of neoculin is ascribed to its pH-dependent agonistic-antagonistic interaction with human sweet taste receptor.2008

    • 著者名/発表者名
      Nakajima, K.
    • 雑誌名

      FASEB J. 22

      ページ: 2323-2330

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neoculin, a taste-modifying sweet protein, accumulates in ripening fruits of cultivated Curculigo latifolia2008

    • 著者名/発表者名
      Okubo, S.
    • 雑誌名

      J. Plant Physiol. 165

      ページ: 1964-1969

    • 査読あり
  • [学会発表] 酵母を利用したハイスループット変異体作製・解析法の開発と味覚修飾タンパク質ミラクリンへの応用2009

    • 著者名/発表者名
      伊藤圭祐
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
    • 年月日
      2009-03-28
  • [学会発表] 味覚修飾タンパク質ネオクリンの構造機能相関の解析2009

    • 著者名/発表者名
      中島健一朗
    • 学会等名
      日本農芸化学会
    • 発表場所
      マリンメッセ福岡
    • 年月日
      2009-03-28
  • [図書] 食と味覚2008

    • 著者名/発表者名
      朝倉富子
    • 総ページ数
      16
    • 出版者
      建帛社

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公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

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