食をとりまく環境が変化している。正確な食情報が求められている。食の安全と安心をめざすには、科学的な知見をもとにした情報が重要である。 「放射線照射処理(以下、食品照射)」とは、公衆衛生や食品の品質保持などを目的として、放射線を食品に照射することにより、殺菌、殺虫、発芽防止等を行う技術のことである。食品照射の有効性は、食品の味や風味を保ちながら、保存性を保証する最も効果的な技術であることである。 既に諸外国では、多くの食品に食品照射の技術が導入されている。輸入食品に依存している日本では照射食品の安全と安心に寄与する研究を喫緊に開始する必要がある。 本研究では照射食品の検知法を確立し照射食品のリスクコミュニケーション試案をめざす。 具体的な研究内容は3項目からなる。(1)ESRによる分析法の確立、(2)照射誘導ラジカルの健全性評価(in vivo ESR計測)、(3)リスクコミュニケーションの試案である。
|