研究課題/領域番号 |
19300253
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研究機関 | 日本女子大学 |
研究代表者 |
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研究分担者 |
川上 正督 自治医科大学, 医学部, 教授 (40161286)
黒木 昌寿 自治医科大学, 医学部, 准教授 (90215096)
鈴木 恵美子 お茶の水女子大学, 生活科学部, 准教授 (80154524)
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キーワード | 糖尿病 / Nu Voi / ポリフェノール / ベトナム / DNAチップ |
研究概要 |
ベトナム産Nu Voi(Cleistocalyx operculatus)花芽抽出物(COB)を糖尿病ラットおよびマウスに投与したところ・以下の結果が得られた。1.COBを糖尿病ラットに8週間経口投与(500mg/kg body weight/day)すると・非投与に比し・血漿のグルコース・総コレステロール・トリグリセリド濃度・レンズのグルコース・ソルビトール濃度が有意に低下した。肝臓およびレンズの過酸化脂質濃度の顕著な低下・肝臓の抗酸化酵素(SOD,GST)やGSHの低値もみられ・糖尿病進行におけるCOB投与の著明な効果が認められた。さらに・COB投与糖尿病ラットは血清インスリン値が高く・膵細胞のインスリン染色においてもインスリン増強作用が観察され・また白内障スコアの低下・レンズ中過酸化脂質・グルコース・ソルビトール・フルクトース濃度の低下も認められたことから・COBはランゲルハンス島保護作用や糖尿病性白内障形成遅延作用を有することが示唆された。2.長期COB経口投与糖尿病マウスにおいて・肝臓および腎臓からmRNAを抽出・cDNAを合成し・DNAチップを用い遺伝子発現状況を検討した結果・COBは異物代謝遺伝子(Cypla)の発現レベルには影響を与えなかった。また・酸化ストレスに関与する抗酸化酵素(SOD,GSH)の遺伝子に正の調節を示し・COBは細胞の抗酸化酵素を制御することにより抗酸化作用を示すことが示唆された。臨床試験では・健常成人におけるCOB(Nu Voi茶)の飲用が食後血糖値に与える影響について検討した。米飯160gの摂取前にNu Voi茶200ml(COB11.5gに相当)を飲用すると・飲用しない場合に比べて血糖値上昇が抑制され・COBはヒトにおいても血糖値を低下させる素材である可能性が示唆された。なお・ホーチミン市栄養センターでの臨床試験は現在も進行中である。
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