研究課題/領域番号 |
19300254
|
研究機関 | 北陸大学 |
研究代表者 |
竹内 正義 北陸大学, 薬学部, 教授 (20154982)
|
研究分担者 |
佐藤 隆 北陸大学, 薬学部, 講師 (30325451)
瀧野 純一 北陸大学, 薬学部, 助手 (00440529)
|
キーワード | 飲食料品 / 糖尿病 / 終末糖化産物 / AGEs / 生活習慣病 / メイラード反応 |
研究概要 |
これまで我々は、生体内で形成される終末糖化産物(AGEs)の中でも特にglyceraldehyde由来AGEsがAGEs受容体のRAGEを介して糖尿病血管合併症などの発症・進展に強く関わっていることを解明し、toxic AGEs(TAGE)病因説を提唱するに至っている。一方、食品中に含まれるAGEsが糖尿病などの生活習慣病と関連しているとする論文が報告されている。しかしながら、これらの論文で用いられているAGEs測定方法は、褐色も蛍光も有さないN-carboxymethyllysine(CML)抗体を用いて測定したものであり、食品中AGEsと疾病の関連を議論する上では実際の食品中AGEs量を反映していないことが危惧される。 このような背景から、各種AGEsの中でも特に飲食料品中に多く含まれることが予測されるglucose-derived AGEs(AGE-1)とfructose-derived AGEs(Fru-AGE)特異抗体を作製し、競合ELISA法により各種AGEs量を測定した。その結果、乳飲料や乳酸菌飲料の中には多量のAGEsを含むものが市販されていることが明らかになった。AGEsの影響を検討するため、正常ラットへ高AGEs含有飲料を8週間経口投与した結果、肝臓におけるRAGE遺伝子などの発現が増大し、生体内で形成されるTAGEの細胞障害作用を増強することが示唆された。また、保存期腎不全患者へのクレメジン投与により、血中TAGE量が低下するだけでなく、RAGE遺伝子などの発現も抑えられ、飲食品中AGEsの摂取制限や吸着除去という概念が、生活習慣病の発症・進展予防において非常に重要な理論になりえることが示唆された。
|