研究課題/領域番号 |
19300255
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研究機関 | 武庫川女子大学 |
研究代表者 |
瀧井 幸男 武庫川女子大学, 生活環境学部, 教授 (70154937)
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研究分担者 |
山本 周美 武庫川女子大学, 短期大学部・食生活学科, 講師 (60441234)
西村 沙矢香 武庫川女子大学, 生活環境学部, 助手 (00509177)
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キーワード | 骨粗しょう症 / 遺伝子診断 / 食育 / メタボリックシンドローム / 思春期 / 骨密度 / 肥満度 |
研究概要 |
女性に多い骨粗鬆症は若年期にリスク要因を抑制しておくことが望ましい。女子学生175名の骨量形成に関る遺伝因子の策定および環境因子との相互作用を検討した。被験者の平均値は年齢21.5歳、身長158.1±5.5cm、体重51.2±7.1kg、体脂肪率26.1±4.7%、BMI(肥満度)20.7±2.2、骨評価値2.647±0.246であった。 1.骨量を維持するエストロゲンの受容体に関する遺伝子ESRXrs9340799の分布は、XX型1.7%、Xx型30.9%、xx型67.4%で、変異型が98.3%であった。ESRPrs2234693では、pp型16.6%、Pp型47.4%、PP型36.0%で変異型が83.4%を占めた。 2.ビタミンD活性に関与するLDL受容体タンパク5(LRP5)では、CC型50.3%、CT型39.4%TT型10.3%となり、野生ホモが半数を占めた。 3.骨成分の消長に関わるI型コラーゲン遺伝子rs1800012では、AA型0%、AC型100%、CC型0%で、AC型であるヘテロしか見られなかった。以上の結果、遺伝子の変異型と骨評価値で骨評価値が低い傾向がみられ、特にESRP及びLRP5において遺伝因子と骨評価値との間に有意な相関性がみられた。遺伝因子や環境因子の交互作用により骨量は変化し、遺伝要因と生活習慣が重なって骨粗鬆症へのリスク増大につながると予測される。骨粗鬆症に関与する遺伝子多型等の遺伝素因は、最大骨量を決定するもので、閉経後の骨量は生活習慣に規定されることが明らかとなっているからである。次年度研究計画では、各遺伝因子と環境因子、特に運動習慣と骨評価値との相関性において影響する新規な遺伝因子を探究する。
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