本年度は、次の2つの課題に取り組み、研究活動の点検と研究・意見交換・成果の公開のために公開研究会を実施した。 第一の課題については、「多様な学習形態とカリキュラム開発・評価に関する実証的・実践的研究」として、昨年度の北海道地区での「理科に関する意識調査」(小・中・高校生対象)を基礎にしながら、福島県、東京都、福井県でのアンケート調査並びに聞き取り調査を実施した。また、同じ設問を滋賀県教育委員会でも実施しており、その比較検討を進めた。 第二の課題については、(1)PISAの総括的評価についての論考を翻訳し、それを基にした検討を行うとともに、(2)それらを含むPISA結果についてのコメント等の検討とともに、日本(札幌市)・韓国(ソウル市)・香港(香港市)の東アジア地域でのPISA対応を含む科学教育改革に関する現地調査を行った。ここでは、とりわけ、本研究プロジェクトメンバーを中心として、日韓の研究者によって、中学2年理科第一分野に於ける学習内容の検討とともに、授業参観に基づくVTRの比較研究を行い、授業比較研究の視点並びに方法論についての意見交換を3回行った。(3)韓国と香港の教師あるいは科学教育研究者との交流を、日本(札幌・東京)、韓国、香港で開催した。香港での調査では、香港市内の公私立小・中学校の教師と香港PISAセンターの研究者と、PISAの科学的リテラシー並びに数学リテラシーに関する情報・意見交換を行った。これらの成果を、中間報告としてまとめた。
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