子どもにとって「遊び」は、自然のしくみを知り、生活の知恵を身につけるための重要な体験である。しかし、特に日本の都市部では、かつて誰もが体験できた遊びや体験型の環境教育を実践していくことは難しいのが現状である。このような現状の中で、身近に残された自然空間やオープン・スペースを、「子どもの遊び環境としての自然環境の修復」と「環境学習」を目的として創造していくことは重要な課題である。このような課題に対する解答を得るために、研究代表者(伊東)らは、日本における環境計画や環境教育のありかたについての問題について明らかにし、生態心理学的な環境デザインを行うと同時に、ノルウェー・ドイツの研究者との共同研究、議論を行ってきた。本研究では、実際の計画・設計プロセスと日欧の比較研究を通して、身近なオープン・スペースを、「地域の自然環境の修復・再生」、「環境学習」、「住民参加」、「子どもの遊び」の場として活用できるような新しい環境計画の手法と環境学習のプログラムを開発することを目的として研究を行っている。
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