研究分担者 |
前田 克彦 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部, 部長 (40370994)
小川 義和 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部・学習課, 課長 (60233433)
岩崎 誠司 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部・学習課, 係長 (90259995)
有田 寛之 独立行政法人国立科学博物館, 展示・学習部・学習課, 専門職員 (70342938)
千葉 和義 お茶の水女子大学, サイエンス&エデュケーションセンター, 教授 (70222130)
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研究概要 |
教員養成系大学と博物館とが連携して小学校教員養成に役立つ科学技術体験プログラムをモデルシステムとして研究・開発するため,本年度は教員養成系大学に対し,小学校教員養成課程の現状と,科学系博物館など外部資源導入へのニーズを予備的に調査した。国内の総合大学・新構想大学等5大学を調査し,更に海外の事例としてアメリカやカナダにおける連携の様子を実地にて調査した。 本調査において,以下の知見が得られた。・平均的に,小学校教員養成課程における理科非専攻の学生の割合は90%以上に上るが,理科に関する授業数はカリキュラム上少ない。このため,理科指導に対する困難さを解消できないまま教師となる学生が多い。・即戦力のある教員を養成するために,大学では教育実習や教職専門科目以外の科目を効果的に使い,理科指導の能力向上の一助としているが,限界もある。・アメリカのTexas Christian University等では,小学校理科教育法の授業を博物館と連携して行い,学生に博物館の場で自分の授業案を実践させ,ふり返りの機会を与えることは大きな価値があると結論づけている。・博物館からの支援は必要であるが,カリキュラムの時間的等の制約のため導入は難しい。効率的な連携のためコーディネーターを設置することが有効と思われる。また,子どものあらわれや反応に即し,迅速且つ的確な対応を可能にするため,教師の構想力,即応力を養うような支援のあり方を探る必要がある。・博物館の職員が大学を訪問して指導をしたり,学生が博物館へ来て実習をしたりするなどの人的交流は,科学系博物館が小学校教員養成課程を支援する有効な方策の一つである。一方で,博物館の職員が大学で支援をする場合,博物館の特徴の一つである「モノ」を生かすことができない。博物館特有の資源を最大限に生かした支援のあり方を具体化することが,次年度以降の課題の一つとなる。
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