研究概要 |
本研究は,広範な地域に分散した複数の教育機関が連携してeラーニングのみで単位互換を実施する連携型eラーニングにおける教育の質保証に関して,アークテクチャ構築と組織体系化,及び教育実践を行うものである。本研究において,効果的なeラーニング活用法として,Webサービスにより複数オープンソースLMS(OSSLMS及びMoodle)を連携させた統合コミュニケーションサービスを実現し,それを用いた数学のインタラクティブ協調学習を実践した。また,メタバース(仮想空間)における教室環境を構築し,学習者コミュニティを提供して,PBL (Problem Based Learning)の実践を支援した。単位互換実践においては,Cohort Based Modelにメンタリングメールシステムを組合わせて学習効果向上を図った。質保証の体系化に関しては,受講生の学習スタイルに着目して,eラーニング特有の学習モデルを新規に考案し,調査分析を行い適合性の可能性を示した。さらに教育効果の評価に関しては,4項目の視点と3レベルのカテゴリを導入したチェックリストを考案し,複数機関間での統一的なコンテンツ評価を可能とした。また,Webを対象としたレポート提出システムの実現手法と,完全オンラインテストの可能性に向けた自動化,本人認証方式(筆跡認証など)に関する提案と評価を実施した。その他,上記教育実践の基盤となるeラーニング高等教育連携(eHELP)の活動を拡大・拡充して組織の体系化を図るとともに,教育実践結果の各機関へのフィードバックを図った。なお,高等教育実践のベストプラクティスに関して,北欧(フィンランド,オランダ)の大学・eラーニング推進機構を訪問して現況調査を行った。
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