研究概要 |
本研究の目的は,高等学校情報科における情報の科学的な理解促進のための教育プログラムの開発にある.学校教育における情報教育の一環としての情報科の位置づけを意識し,さらには情報産業を担う人材の早期育成の観点からプログラムの具体化および運用を図るものである.H20年度の研究成果として,情報的見方・考え方の根本を成す「アルゴリズム的思考」(AL)に関しては,情報系および工学系大学でのAL教育の成果に基づく高校AL教育項目のモデルを具体化した。システム設計・運用分野で基礎としての「符号と情報システム」(IS)に関しては,IS教育に特化した新型の教具開発を行い,教育現場での実践を展開した.展開の具体例は、小中学生向け2件(ワークショップ:東京都、鹿児島県)、高校向け16件(授業導入:10校、教員向けワークショップ:6件)、専門学校・技術短期大学向け2件、大学・大学院向け6件、技術者向け6件である。また、マルチメディア分野の基本概念としての「情報デザイン」(ID)に関しては,大学でのID教育の成果の基づく高校向け教育プログラムに関するワークショップを開催し、52名の参加を得た。さらに、情報デザイン教育の課題を事例集としてまとめた.事例集はH21年度中に作成予定の続巻(2巻を予定)と合わせ、関連高校および情報科教員養成をしている大学担当者に配布予定である。各分野の研究過程や成果は、関連学会(日本情報科教育学会、情報処理学会、教育システム情報学会)等の研究会・全国大会で報告した。
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