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2007 年度 実績報告書

脳内生体情報を用いた計算・図形処理過程における学習モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 19300287
研究機関佛教大学

研究代表者

黒田 恭史  佛教大学, 教育学部, 准教授 (70309079)

研究分担者 前迫 孝憲  大阪大学, 大学院・人間科学研究科, 教授 (00114893)
江田 英雄  光産業創成大学院大学, 統合エンジニアリング分野, 准教授 (00395237)
キーワード脳科学 / 代数教育 / 幾何教育 / 数学教育 / 学習モデル
研究概要

目的:本研究の目的は,数学教育における代数領域と幾何領域を対象とし,近赤外線による光計測装置による課題遂行時の脳内のヘモグロビン濃度変化を測定・分析することを通して,生理学的データによる学習モデルの構築を行うことである。
方法:光計測装置による計測実験に適した実験課題を開発し,大学生を被験者として実験を実施し,学習モデルの構築を行う。代数課題として,連立方程式のアルゴリズムを説明する課題を,また,幾何課題として,合同図形作製に関するタングラムを用いた課題を開発した。大学生を被験者として,代数課題9名,幾何題開17名,計26名を対象に,光計測装置による計測実験を行った。
成果:代数課題では,連立方程式の解答時と説明時とでは,ヘモグロビン濃度変化に差異が生じることが明らかになった。解答時にはヘモグロビン濃度の上昇が見られ,説明時にはヘモグロビン濃度の上下変化が見られる等,課題遂行の方法の違いにより,異なる結果となった。また,幾何課題では,複数回の課題遂行により,方略を獲得した被験者は,ヘモグロビン濃度の上昇が抑制され,最後まで方略が未獲得の被験者は,ヘモグロビン濃度の上昇が継続するという結果となった。代数課題における,解答時と説明時の脳内変化の差異は,問題を解くという行為と,他者に説明するという行為が,異なる脳活動を要請していることを示唆するものであり,他者へ説明することの教育的意義を検討する上での生理学的データとなる可能性が認められた。また,幾何課題における,方略獲得の有無の問題は,図形の構成要素を瞬時に判別することが可能となるかどうかといった幾何課題特有のものであり,学習効果を高めるための方策を考える上での知見を得る際に有効なデータとなる。
今後の課題:上記の実験内容を小学生用に改良し,実際に学習過程にある学齢期の児童におけるデータ取得とその特徴を解明することである。

  • 研究成果

    (11件)

すべて 2008 2007

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (8件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] 計算遂行時の前頭前野におけるヘモグロビン濃度変化の特徴2008

    • 著者名/発表者名
      岡本 尚子
    • 雑誌名

      数学教育学会誌 48(1・2)(印刷中)

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 解答場面と説明場面の差異がもたらす脳内ヘモグロビン濃度変化の特徴2008

    • 著者名/発表者名
      黒田 恭史
    • 雑誌名

      佛教大学教育学部論集 19

      ページ: 55-68

  • [学会発表] 脳科学の数学教育への応用に関する研究動向と今後の方向性2008

    • 著者名/発表者名
      黒田 恭史
    • 学会等名
      数学教育学会春季年会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-23
  • [学会発表] 図形課題におけるヒントの役割と脳活動の特徴2008

    • 著者名/発表者名
      岡本 尚子
    • 学会等名
      数学教育学会春季年会
    • 発表場所
      近畿大学
    • 年月日
      2008-03-23
  • [学会発表] ヒント提示の認識の差異がもたらす脳活動の特徴-小学生を対象として2008

    • 著者名/発表者名
      岡本 尚子
    • 学会等名
      日本教育工学会研究報告集JSET08-1
    • 発表場所
      名古屋大学
    • 年月日
      2008-03-01
  • [学会発表] NIRS Evaluates the Thinking Process of Mushi-kuizan Task2008

    • 著者名/発表者名
      EDA Hideo
    • 学会等名
      SPIE-The International Society for Optical Engineering
    • 発表場所
      San jose,U.S.A.
    • 年月日
      2008-01-19
  • [学会発表] 同一問題における解答場面と説明場面の差異がもたらす脳生理学的特徴2007

    • 著者名/発表者名
      黒田 恭史
    • 学会等名
      日本教育実践学会第10回研究会
    • 発表場所
      上越教育大学
    • 年月日
      2007-11-10
  • [学会発表] 図形課題遂行時における助言がもたらす脳活動の特徴2007

    • 著者名/発表者名
      岡本 尚子
    • 学会等名
      第11回数学教育学会大学院生部会
    • 発表場所
      東北大学
    • 年月日
      2007-09-22
  • [学会発表] 授業場面を想定した学習時における脳内生体情報の取得に向けて2007

    • 著者名/発表者名
      岡本 尚子
    • 学会等名
      数学教育学会夏季研究会(関西エリア)
    • 発表場所
      佛教大学
    • 年月日
      2007-06-16
  • [学会発表] 今後に求められる算数・数学の「学力」について2007

    • 著者名/発表者名
      黒田 恭史
    • 学会等名
      数学教育学会夏季研究会(関西エリア)
    • 発表場所
      佛教大学
    • 年月日
      2007-06-16
  • [図書] 数学科教育法入門2008

    • 著者名/発表者名
      黒田 恭史
    • 総ページ数
      300
    • 出版者
      共立出版

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公開日: 2010-02-04   更新日: 2016-04-21  

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