研究分担者 |
市村 洋 サレジオ工業高等専門学校, 専攻科, 教授 (10176307)
吉野 純一 サレジオ工業高等専門学校, 電子工学科, 准教授 (40280367)
野島 伸仁 サレジオ工業高等専門学校, 一般教育, 講師 (60450128)
MARQUIS Luis サレジオ工業高等専門学校, 一般教育, 講追 (10451387)
鈴木 雅人 東京高専, 情報工学科, 教授 (50290721)
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研究概要 |
今年度は,3年計画の初年度であり,次の段階を踏んで調査及び研究をしてきた。 (1)日本の伝統芸術の歴史性と特徴の再確認のための調査…中国から漢字の渡来とその醸成,「カタカナ」及び「ひらがな」の創成,そして世界的なかな文文学作品(「あはれ」としての源氏物語,「をかし」としての枕草紙)を調査する。引き続き,渡来してきた散楽も同様に猿楽として醸成され,「あはれ」は能に,「をかし」は狂言に影響を与え,現代まで継承されている。すなわち,かな文文学と能楽は相互に深く関わりを持つ日本の伝統文化であることが明確化でき,今後の研究の基本的考え方を確立した。 (2)中世の能書家の美的・躍動感あるかな文書体のNavi. SystemのIT化による先行研究…狂言稽古のIT支援方式を確立する前に,既存の研究(科研費研究基盤研究(B)1348005ペン字・書道の稽古師範を事例としたインターネット活用遠隔技能習得に関する研究(2001-2003年度))の成果を,所作(動き)の伴う伝統文化狂言へ活用するために,暗黙知を形式知化するための感性データベースの設計・実装法,及び躍動感表現のためのモーションキャプチャ活用なる先行研究を開始した(研究成果7編発表)。 (3)本狂言鑑賞による教養調査…狂言usingIT研究を進めるに当たって,卒研(高専5年)・特研(専攻科1年),他分野の芸術家,及び関係教員ら総員30名により本狂言鑑賞会を企画し,アンケート調査を行った。初体験者も含め鑑賞の視点を研究紀要にまとめる。 (4)狂言の口伝継承稽古法へのIT活用法…所作を伴う日本の伝統芸術でも口伝指導以外に,日本舞踊の花柳流や叶流のように,振り帳記述方式が存在することが分かった。この振り帳の電子化を先ず行い,その有効性を検証することにした。さらにモーションキャプチャを動きの伴う日本舞踊やギター運指に適用し,狂言の「小舞」のIT研究の準備とした(研究成果4編発表)。 (5)狂言「小舞」稽古法として自動小舞振り帳作成の基本設計…(4)の基礎研究を基にして,モーションキャプチャと電子振り帳を合わせた「自動小舞」設計方針が明確化できた(次年度はその実装をする予定である)。
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