研究課題/領域番号 |
19300302
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研究機関 | (財)元興寺仏教民族資料研究所 |
研究代表者 |
雨森 久晃 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 学芸員 (70250347)
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研究分担者 |
塚本 敏夫 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (30241269)
川本 耕三 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (10241267)
高橋 平明 財団法人元興寺文化財研究所, 研究部, 研究員 (60261210)
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キーワード | 文化財 / 輸送 / 防振台 / 美術品 / 美術梱包 / 美術品輸送 / 美術品専用車 / アンケート |
研究概要 |
前年に近畿地方を対象として行った「美術品輸送に関する意識アンケート」を全国に対象を広げ行った。送付した施設は927件。その内403件の回答を得た。このアンケートは、文化財を所蔵・展示する施設においてその輸送に関しての館の考え方・実作業について回答を求めたものであり、予算の削減など昨今の経済状況が如術に反映した結果となった。また、接着強度実験用試験供試体の作製では、幅30ミリの鉄製フラットバーを長さ120ミリに切断し、接着強度測定実験を行った。計測方法は引っ張り試験とし、接着海面との破断時を終点とした。接着剤には、保存処理等で標準的に使用されているエポキシ樹脂系接着剤を選択し試験を行った。結果、商品名アラルダイト接着剤が優位の結果となった。木材(ヒノキ材)による試験供試体の作製も行い、幅30ミリ、5ミリ厚、長さ120ミリの供試体をエポキシ樹脂系接着剤、膠、漆、シアノアクリレート系接着剤の4材料により実験を行った。結果は、エポキシ樹脂系接着剤の靭性が高く、接着強度を得られた。防振台の開発のため、昨年に引き続き走行実験を行った。測定は、荷室床上及び防振パレット上の加速度を測定した。緩衝用ダンパーには、ワイヤーロープ防振器、シリコン系防振器、シリコン系防振器+コイルばねの3水準を使用し、各種条件を変えて実験を行った。結果ワイヤーロープ防振器は、上下・水平方向とも防振効果を発揮した。しかし、より効果を求めるためには、たわみを大きくする必要があり、スペース・復元力など課題が多い。シリコン防振器は、上下方向には防振効果を認められたが、水平方向ではほとんど効果を発揮できなかった。
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