研究概要 |
1.喜界島において,年代が既知の津波石を利用することにより,その下部に達する石灰岩からなる台座岩の形成条件を吟味した.その結果,(1)台座岩が形成される条件として,津波石の打ち上げ時に地表面が土壌に覆われていないことが重要であること,(2)台座岩の形成速度は,基盤力が石灰質砂岩であるときよりも,純粋な石灰岩である場合のほうが大きいことがわかった. 2.石灰岩タブレットを石灰岩流域と花崗閃緑岩流域に埋設し,両者の溶食速度の差異を検討した.その結果,pHと電気伝導度の低い花崗閃緑岩に埋設したタブレットの方が,石灰岩流域に埋設したものよりも9倍も溶解速度が大きいことがわかった.このことは,石灰岩タブレットの溶解速度は,設置地点の水質に大きく依存することを示唆している. 3.種々の気候環境におけるリレンカレンの研究史をまとめた.その結果,地形学的形態に関する研究はいくつか存在するが,リレンカレンの形成プロセスや形成メカニズム,形成速度に関する研究はほとんどないことがわかった.
|