• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2008 年度 実績報告書

地吹雪の広域自動観測による南極氷床の積雪再配分量の評価

研究課題

研究課題/領域番号 19310006
研究機関名古屋大学

研究代表者

西村 浩一  名古屋大学, 環境学研究科, 教授 (10180639)

キーワード吹雪 / 南極氷床 / 積雪再配分
研究概要

本研究は、「簡易に計測可能な吹雪自動計測システムを開発し、これを南極大陸に設置して吹雪量を通年にわたって実測し、南極表面質量収支における積雪再配分効果を定量的に見積もる」ことを目的とする。
本年度は、吹雪自動計測システムを試作し、低温風洞での動作実験を中心に実施した。機器の構成は、氷床表面の上部は低温を考慮して電波用アンテナもしくは光ファイバーを用い、電気制御、データ処理、記録部はいずれも氷床に埋め込むこととした。当初は簡易型ドップラレーダーと光膜通過型光センサーを検討したが、前者は風洞などの狭い空間での定量的な計測が困難で他のセンサーとの比較実験・較正ができないことから、光センサー型を用いることとした。センサー出力の応答速度が遅い点については、長軸方向を水平にして光膜内の粒子通過時間を長くする工夫を行って対処し、粒子が光膜内を通過する際に発生する波高値の異なるパルス状信号を1秒間積分し、ロガーに書き込んだ。
性能試験は防災科学技術研究所雪氷防災研究センターの実験棟風洞を使い、基準器としてスノーパーティクルカウンター(SPC)を用いた。風洞内の高さ7.5cmの位置に両機器を並べて設置し、風速、吹雪量を変化させて比較を行った結果、低風速の場合以外は、出力と吹雪量の関係は高い精度で一致し実用化への見通しが得られた。
また冬季には、本器に風向舵を取り付けて野外計測を行ったが、吹雪の発生機会が少なかったため質量共に十分なデータは得られなかった。
このほか昨年度に続き、内陸からみずほ基地に至る吹雪粒子の起源を辿り、降雪から雪面固着に至る雪粒子の運動軌跡の推定を行うことを目的として、南極みずほ基地で観測された地吹雪データ(第41次南極地域観測隊)を対象に再解析を行った。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2009 2008

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (2件)

  • [雑誌論文] 南極における最近の吹雪研究から2009

    • 著者名/発表者名
      西村浩一
    • 雑誌名

      雪氷 71

      ページ: 105-114

    • 査読あり
  • [雑誌論文] みずほ基地とドームふじ基地における吹雪観測2008

    • 著者名/発表者名
      西村浩一
    • 雑誌名

      南極資料 52

      ページ: 204-215

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 発達過程にある吹雪の質量フラックスと粒径分布の特徴2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木貴
    • 雑誌名

      寒地技術論文・報告集 24

      ページ: 72-77

    • 査読あり
  • [学会発表] 発達過程にある吹雪の質量フラックスと粒径分布の特徴2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木貴
    • 学会等名
      第24回寒地技術シンポジウム
    • 発表場所
      札幌市教育文化会館
    • 年月日
      2008-11-26
  • [学会発表] 風洞実験による吹雪の質量フラックスと粒径分布の発達プロセスの研究2008

    • 著者名/発表者名
      鈴木貴
    • 学会等名
      雪氷研究大会
    • 発表場所
      東京大学
    • 年月日
      2008-09-24

URL: 

公開日: 2010-06-11   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi